合宿編C

今日の練習はあっという間に終わった。
ホント、あっという間だった。

顔合わせして、なんか氷帝の奴らも名前の事気に入ってくれたみたいでさ。
結構よかったなって思ってたらめちゃくちゃ幸村不機嫌だし。

でも、そんな事より何より一番気がかりだったのは名前だった。
元気ないし、笑ってもくれないし、でも仕事ががっつり完璧だし。


いつの間にか外は暗くなってて、飯の準備が出来たって執事の人が言いに来て、皆シャワー浴びて食堂向かった。

食堂に名前の姿はなかった。
まだ仕事してんのかな、終わったの知らねぇのかな。

迎えにいったら案の定まだ仕事してた。
男とは違う小さい背中や肩にあぁ、やっぱこいつ女なんだな、とか思ったら触るのすら恥かしくなる。



『…あ、』

「飯だぞ」

『………うん』


元気がないのは俺のせいだろうか。
俺の中ではもう名前を許しているが、名前はまだ俺に嫌われたままだって思ってんのかな。
もしかしたら、俺が怒ってた事なんか、こいつの中じゃどうでもいいことなのかな。


「行くぞ」

『待ってジャッカル』

「…何だよ」

『ごめんなさい』

「………」

『なんで怒らせたんだろうっていっぱい考えたんだけどやっぱりわからなくて、赤也にも柳生にもいっぱい言われたんだけどでもわかんない。一番ジャッカルと仲良いのに全然ジャッカルが怒ってる理由見つからなかった…。
わかるまで仲直りはお預けでもいいから今は謝らせて。ごめんね、ジャッカル』





そんな顔されたらこっちだって許すしかないだろ。
一番の仲良しか。俺が、お前の一番か。


それがわかっただけで十分だわ。


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