合宿編B
勢いあまって告白してしまった。後悔はしてない。
大体何もかも名前が悪いんだよ。
転校だって急な話どうしてもっと早く言ってくれなかったんだ。あの子は俺たちがどれだけ君に依存しているかわかってない。
「…あー………」
「ど、どうしたんだよぃ…」
「俺になびかない女の子なんて今までいなかったのに」
「何跡部みたいな事言ってんだよぃ」だって事実だし。
小学生の時も中学生の時も俺は意中の女の子なんていなかったけれど、きっと告白すれば100%いけた。
彼氏持ちの女子だってその気になれば絶対落とせる自信がある。
なのに何故名前はあぁなのだろう。
王者と呼ばれる俺たちが心をゆるしていると言うのに。こんなにも君を好きなのに。
どうしてそんな簡単に、何事でもないように離れていこうとするんだよ。
まぁ、そりゃ君が俺たちを嫌いな事は知ってるよ。
特に俺の事よく思ってないのもわかってるけど。
それを考えてしまうと、優しくできないんだ。君を好きだって気持ちはきっとここにいるだれより負けない。
なのに、ここにいる誰より君に優しくできない。
なんでだろうね。
君を見つけてからずっと変だ。
妹と雑貨屋に行けば、君に似合うものをいつのまにか探してしまう。
テスト勉強でどん詰まっている君を見て、罵ってしまう。
誰か他の奴と仲良さそうにしゃべってれば、それが女だろうが男だろうが殴りたくなる。
君は何が好きなの?
休みの日はどんなことしてるの?
花は好き?ガーデニングが趣味なんだ、俺。
俺をもっと知ってよ。
俺をもっと見てよ。
君がこんなに好きだって、気づいて。
ねぇ、名前。
こんなにも君が好きなんだ。離れたくないんだよ。
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