駄目だ。
駄目。
間違っても『欲しい』なんて言っちゃ駄目。
『自分で処理しろ』
そう言われたんだから、我慢しなきゃ。

何度も自分に言い聞かせながら気を逸らすためにテレビをつける。
平日の昼間などつまらない番組ばかりで、やはり頭の中ではリヴァイのことばかり考えてしまっていた。
今、リヴァイは仕事でいない。
一人でするなら今しかない。
本能的に勝手に火照り始める身体は、理性では抑えられない。
テレビを消し、ソファーにもたれかかってスウェットに手を入れてみる。
ひときわ熱く湿った自身のそれに軽くため息が漏れた。

「…んっ」

強く握ればぐっと太ももに力が入る。
そのまま、と激しく上下に擦ってみても、やはり達することは出来なかった。
増していくもどかしさに涙がこぼれる。
ふと、ソファーの肘掛けに掛かっているシャツが目に入った。

リヴァイさんのシャツ…

空いているもう片方の手でそれを顔に乗せる。
いつもより濃いリヴァイの香りに包まれ、昨日の情事を思い出させた。

「はぅ…んっ、きもち…りばいさ、…っ」

もう、すぐにでも達することができる。そんな状態だったのに。
まさかこんなことになるなんて…。

「随分と楽しそうだな…エレンよ」

「っ…!!ひ…り、リヴァイさ…こ、これは…!その、ちがうんです…!」

「ほぅ…俺の匂いを嗅ぎながらエロい声出してマスかいてなんかいねぇ、と?」

キシ…と音をたててソファーに入り込む。
濡れたスウェットの上から主張したそれを撫でてやれば、更にイイ声で鳴いた。
スーツを脱ぎ、ネクタイでエレンの手首を縛る。
涙で濡れた瞳に追いかけられるだけでぞくぞくと煽られ、流れに任せて組み敷いた。

「…欲しいんだろ?」

「っ…」

「素直じゃねぇ駄犬だな…どうなんだよ」

スウェットに手が入りこみ直接それに刺激を与えられながら、ゆっくりと脳内まで犯されていく。
『自分で処理しろ』
そう言われたんだから、欲しがったら駄目。
本能のままに犯して欲しい、なんて、絶対駄目なんだ。
ひたすらそれだけを繰り返して、じりじりと増していく欲にブレーキをかける。

「素直に欲しがらねぇとやめちまうぞ…エレンよ」

「だ、だめ…」

「ふっ…何が駄目なんだよ」

「欲しがっちゃ…だめ…だからっ!リヴァイさんに…『自分で処理しろ』って言われたから…我慢しなきゃ駄目だから…っ」

そういえば、と発情して夜這いに来た時のエレンを思い出す。
確かにそんなような事を言ったかもしれないが、欲しがるなとは言ってねぇ。
こいつは馬鹿か。
大きく一つため息をつけば、どうしたの?と言うように目をパチパチとさせる。

「…めんどくせぇ」

「えっ、…す、すみませんでした!…?」

「そうじゃねぇ、…はぁ…解れ」

「別れ…?!い、いやです!」

「だからそうじゃねぇ…こうゆうことだ」

くい、とエレンの顎を持ち上げ、軽くキスをして。

「愛してる。だから素直に欲しがっていい。だが約束しろ。俺以外に発情すんじゃねぇ。分かったな?」

答えを聞く前に、張りつめたそれを激しく刺激する。
何か言おうとしたエレンの声は淫らな喘ぎ声に飲まれ、勢いよく白濁液を出した。

「はぁっ、はぁ…っ」

「…分かったな?」

おれはなんて答えればいいのか分からなくて、恥ずかしくて、Yesの代わりにリヴァイさんの頬に唇を寄せた。

ふわりと、リヴァイさんの濃い香りがした。



fin.


くんくん、くんくん

毎晩、

貴方の香りに包まれて。





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