∴ 使徒の日記念文 ※Po.p'n mu.sic16『Sorrows』を元に書いてみた。 ※明るくない。 読みつつ色々考えて下されば嬉しいです。 黄昏が夜に変わっていく。 太陽は溶け落ち、海の底で魚になった。 水時計みたいな光と闇。 だけど地球をひっくり返したところで時は戻らない。 ため息をついた。 悲しみしかないこの景色。 だれもみつけてくれないね 唐突に、音の無い台詞が耳の奥で鳴った。同時に「思い出した」濃い橙の夕陽。 すると「僕」の口は、待っていればそのうち誰か来るよと。 呑気な返事をした気がする。 友達とかくれんぼをしてたのに、「僕」は精霊たちとのおしゃべりに夢中で。 誰も探しに来ないのを気にも留めなかった。しかもそれが意地悪されたんだって、「僕」・・・否、君は気付かなかった。 そして翌日元気に学校へ行って、意地悪した子たちも毒気を抜かれて。事態はそのまま迷宮入り。 僕の記憶じゃない。ただの幻。 あの頃君が住んでいたのは日が沈まない所だから、君は夕焼けなんて見たことなかったんじゃないかな。 * 酷い気分なんだ。ずっとずっと。 それは君が存在してるからだと思ってた。 僕は最善の策を探して実行した。ただ君を排除するために。 そしてコトは計算通りに運んで、僕の目標は達成された。 今、君はいない。 でもおかしいんだ。気分が晴れない。それどころかもっと悪くなった気がする。 胸にぽっかりと穴が空いたみたい。 きっとこういうことだ。 君は夢だった。そう思えばこの奇妙な感覚も気のせいと片づけられる。 君なんて最初からいなかった。 じゃあなんで僕が君を知ってるかって、知らないよ。 元々いなかったんだから。そう。君なんていなかった。 生まれ出た事実すら認めてやるものか。 君なんていない。 『また会えるさ』 もう、いない。 |