※芸能パロ
 これら(@ABC)を先に読む事を推奨します

※敢えて役名=本名




「ほぉ、よくここまで来れたものだ。褒めておこう」

「そりゃどーも」

「だが僕の玩具を勝手に持ち出されては困る、今すぐ返すのであれば命までは奪わんぞ」


 このドラマもついに物語の折り返し地点までたどり着いた。
 いまは俺を助けた太一とタイキの対峙シーンを撮影している
 俺を守るように前に出ている太一とタイキの会話を見守っていた


「何度も言わすな、大は道具じゃない
 一緒に泣いたり笑ったり、今を懸命に生きている一人の人間だ!」

「そいつの正体を知っても尚、その言葉が言えるのかな?」

「ッ!? ゃ、止めろ!止めて、ください…ッ!」

「はは、知られたらもう傍にいられないと思ってるのだろう?そう、だからキミは私の玩具になった
 キミの正体を知っても尚美しいと手を差し伸べるのは僕しかいない」

「…ッ」


 身体を震わせ怯える俺の手を包みだす太一
 その時の表情が優しさや悔しさ、色んなのが交じっていて、見ているこっちが泣きだしそうになる


「これだけは言わせてくれ。俺は絶対お前を裏切らない」


 そう言うと、強く抱きしめて来た。
 ……あれ、太一ちょ、台本と違うぞ?


「俺は、お前が好きだ」

「え、太一…えっ!?」


 そんな台詞なかったぞ!?


「もう二度とお前に大を渡さない」

「はははッ!面白い、良いだろう
 今回はキミの度胸に免じて見逃そう。だが、次に会うときはとっておきの絶望を味わうがいい…ははは、はははははッ!」


 タイキが完全に去っていく処まで撮ると、監督のカット!の声が現場に響き渡る。
 一気に力が抜け、情けなくもその場に座りこんでしまう


「おーい大、大丈夫かー?」

「太一…お前、なんであんなアドリブ急に入れやがった」

「アドリブじゃねぇ、俺の本心だ」


 へ、え、何それ…それってつまり…


「お、おい太一!?」

「いやぁー、あんなに緊張したの久々だから肩凝っちまったぜー」


 何食わぬ顔で現場から去っていくのを慌てて止めようとするが、それを完全にスル―してどこかへと行ってしまった。
 おい、なんだよそれ…



「これからどうすればいいんだよ…」



 * * * * 



「監督となに打ち合わせしてるのかと思えば、まさか宣戦布告されるとは思わなかった」

「俺の本気がより分かっただろ?」

「あぁ、思わず本気で睨みつけるくらいにな」

「負けるつもりねーから」

「俺も手放すつもりはない」


さぁゴングは鳴り響いた
正々堂々と戦おうじゃねぇか
光ちゃんからのリクエスト文でした。こっから三つ巴が本格化するんだぜ


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