食戟ネタ


それは、一目惚れでした――――――…






イサミ・アルディーニに惚れた主、が気になってしょうがないタクミの話。


兄のタクミがモテるのはいつものこと。
遠月学園に編入して数ヶ月。日本人ならではの奥ゆかしさ故なのかは分からないけれど、直接話し掛けずに弟のイサミに話し掛け、取り入ろうとする女の子が多かった。

「あっ、あのね!アドレス交換しない?良ければタクミ君のも教えてくれたら…」

またかと内心ため息を吐いてから、いつも通り断わりを入れようとすると、視界の端に兄のタクミに一人近付く女の子を見つける。
数人で話し掛けるなら今までも居たけれど、一人は珍しいなぁなんて思いながら、目の前の女の子に再度断りをいれた。

「あ、アルディーニ君!」
「ん?君は…」
「私吉田ユキっていうの!あのね、突然で申し訳ないんだけどお願いがあって…」
「お願い?」
「う、うん。あの……」

顔を赤くして躊躇するように一度目をさ迷わせた後、バッと勢いよく顔を上げた。

「アドレス教えて下さいっ!!






……イサミ君の!!」


「…は?」
「イサミ君のアドレス教えて下さい!」
「イサミの?」
「そう!」
「俺じゃなくて?」
「え?アルディーニ君の?」
「「え?」」

二人で首を傾げていると弟のイサミがやってきた。

「何やってるの兄ちゃん」
「イサミ」
「イ、イサミきゅんっ!?」←噛んだ


「丁度良いじゃないか。イサミに用があるらしいぞ。」
「うえっ!?」
「え、僕に?なぁに?」
「あ、あああの、えっと、あ、アドレス教えてもらえませんか…
「え、僕の?」
「はいっ!」
「兄ちゃんのじゃなくて?」
「え?アルディーニ君の?」
「「え?」」


「だ、だめですか…」
「え?あー、いいよ。僕のでいいなら。」
「!!わ!わ!イサミ君のがいいです!」


夢見心地でいれば面白がったタクミが勝手に自分の番号を登録しやがった。俺のも入れておいてやろう!!…いらない!!
いや待て、ここは(将来の)お兄様と仲良くなるチャンス!?更に言うならイサミ君の事を聞く(好きな食べ物とか好きなタイプとか好きな…etc.)チャンス!!?うおぉぉぉお!!っと内心密かに燃えていた。
そんなこととは露知らず、数日経ってからタクミは悟った。コイツ本当にイサミの事しか聞いてこない…!!

とかなんとかで徐々に仲を深めていく三人の話。最終的にはタクミ落ちだけど、イサミは大層男前に描かれることだろう。




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