落乱 喜八郎の蛸壺


※ただ喜八郎の穴に入る話。トリップ主でほのぼのマイペースな子。誰でもいいけど五年生視点のつもり。(ハチと勘ちゃん辺りで)





何人目かの天女が来て数日。
誰かが(恐らく不運委員会の誰か)落ちた後らしく、穴が丸見えの蛸壺を発見した。

好奇心がうずいたのか、穴の手前まで行き中を覗いてみる。意外と穴は浅そうで、立ち上がれば顔くらいは出そうな深さ。穴の上に乗っていたのであろう草木と土が底にあり、どこかふかふかしていそうだ。

しゃがんでもう少しじーっと眺めてみる。
大きさは直径1メートルくらいのきれいな円で、壁も垂直に掘られているのが分かる。

キョロキョロと辺りを見渡し、誰も居ないのを確認したのか、後ろ向きに片足ずつ穴の中に入っていく。足を投げ出し、両腕に力を込めながらチラリと穴の底に目をやり、腕の力を抜いてストンと穴へと降りた。

ちょこんと見えていた頭が、座ったのか見えなくなって数刻。流石に不思議に思って中が見える屋根の上に移動した。


「…」
「…」
「…何やってんだあの子」
「さあ…?」

両足を抱え座り込んでボーッと空を眺めたり、穴の壁を眺めたり。ふと目を離せば寝てしまっていたり。

「…」
「…」
「なんか…平和だな…」
「うん…」

もう何人目かの天女な訳だが、こんなにのんびりな平和的な子は初めてだなぁ、なんて。ふわぁっと襲ってきた眠気にアクビをもらした。





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