<甘い声>
あの後、名前は服を着た。
あのまま二人で朝まで眠るはずだった。本当なら。
「ねぇ、ロー。そのままじゃ苦しいでしょ?」
何を思ったのか、名前がローのそこへと手をやる。そして手のひらで大きさを確かめるかのように、撫でまわす。
ピクンと反応する男に、名前は興奮を隠しきれなかった。
「......っく。」
時々漏れるローの甘い声が余計に心を燻る。
もっと声が聞きたい。苦痛、いや快楽に歪む端整な顔がもっと見てみたい。
そんな欲が溢れだす。
先ほどローが外したチャックの上から下着越しに触れ、根元から先端へと指をはわす。何度もピクンと跳ねるそれが名前を刺激し続けている。
「ロー?これ、どうしたの...。」
下着のちょうど先端が当たる部分をクリクリと指先で回しながら、名前は意地悪そうに聞く。
ローの先走った欲で湿ったそこは、小さく叩くとピチャっと今にも音がしそうなくらいだ。
「や、やめろ...っ!」
手で顔を隠しながら快楽に耐えるロー。細い指から覗く顔が、歪んでいた。
「私が教えてあげる。」
下着の中へとスルリと手を滑り込ませる。ローのものでベトベトになったそこ。
今すぐにでも頬張りたい気持ちになったが、普段見られないローがここにいるのだ。この時を楽しむように名前はローを下着だけ残したまま、他の全ての服を脱がせていく。
鍛え上げられた無駄の無い身体。そこに刻まれた刺青。これだけセクシーな男が産まれてまだ一度も、セックスを経験したことが無いという事実。
この男を今から犯す、そう思うだけ名前は達しそうなほどの快感を覚えた。
「大丈夫だから。」
名前はローにキスを落とすと、耳へと舌を這わし、耳を刺激する。
「ロー...。」
耳元で名前を呼ぶ名前の声が、ローの快感をさらに湧きたてた。名前はさらに激しくクチュリと音を立てて耳を舐めながら、両手で胸の突起を刺激してやる。
ローの漏れ出る吐息に酔いしれながら、首筋へと舌を這わしていく。
「感じてるの?」
「い...いい加減にっ。」
「今のロー、凄くいい顔してる。」
小さく立った突起を甘噛みする。すると、感じているのか、ローの身体の筋肉が収縮するのが目に見えた。
「もっと力を抜いて?」
「んなこと言ったって...くそっ。」
舌打ちを交えながら、ローは名前を睨みつけたがそこにいつものローはいない。
「可愛い...。」
「あァ?誰に言って...うっ!」
「どうしたの?」
「それ、やめ...ろ...。」
「ふふ、ヤダ。また下着越しだよ?」
肉棒を下着越しに頬に当てながら、唇でゆっくりと下からなぞる。欲が滲んで出来たシミに達すると、名前は彼の腰に手を当てて脱がしていった。
そして露わになったローのもの。
「おっきい...。」
名前から自然に出た言葉だった。まだ誰も使った事のない太く硬くなったそこに、喜びを覚えつつも勿体無いことを...なんて思いが名前の頭をよぎる。
「美味しそう...。」
ローをさらに挑発するように言葉をかけて、名前は顔を太もものほうへと移動させる。
そして、片手で膨れ上がった先端を刺激しながら、太ももに舌を這わす。その間も、もう片方の手で二つの小さな塊を刺激することも忘れない。
たったそれだけの動きで、彼の肉棒は溢れんばかりの液を出し、名前の手の滑りをよくしていた。
「くっ......、名前......!」
「なぁに?」
「もう......。」
「いいわ、舐めてあげる。」
名前はローのほうを見て小さく微笑むと、一気に口の中へ含んだ。見た目よりも大きなそれは、名前の口では半分咥えるのがやっとだった。
軽く吸いながら筋をなぞるように舌を動かす。
「うっ、あ......。」
今まで感じたことのない感覚に、耐えられないのかローが声をあげた。刺激しつつ視線を上にやると、ローの目は涙が浮かびそうなほど、憂いを帯びているようにも見える。
「辛い?一度イく?」
「ハァ...、誰が...っ!ハァ、ハァ。」
「素直じゃないのね。」
いつもとは違うローに、名前のほうが限界を感じていた。
早く挿れたい。
クチュ...ッ。
口に含みんでいたことにより、唾液でたっぷりと濡れた一物。今まで添えていただけだった手を上下、時には捻じるように動かした。
「名前、や...めろ。」
吐息と共に漏れるローの甘い声に、名前の秘部からも蜜が溢れだす。太ももを伝うような感覚を感じながら、名前は一心不乱にしゃぶりついた。
グチュグチューーッ!!
部屋に響く卑猥な音。それに応えるかのように、それは更に太く硬くなった。
「名前!も....、もうっ.....!」
ドピュッーーー!!
まるでそんな音が聞こえてしまいそうな勢いで、名前の口内へと欲の塊が解き放たれる。
肉棒はドクドクと今もなお脈をうちながら、ドロっとした粘り気のある液体を吐き出す。
「ハァ...ハァ、名前...。」
名前はそれを吸い取るように、丁寧に舐めたあとゴクリと飲み込んだ。