ね ん ま つ !

「もう1年も終わりだね……。やり残したこと何かなかったかなぁ」

 スウィートが呟く。
 すると何故かそれに便乗するようにフォルテが「そうね!」と返事をし、話をしだした。

「もしかしたらやり残したことあるかもしれないし、とりあえず掃除の手を休めて考えましょう! 今すぐ休んで!!」

「無駄なこと言ってないでやれ」

 アルにばっさりきられ、フォルテが小さく舌打ちをする。
 フォルテが言っていたとおり、今は『シリウス』で掃除中である。スウィートとアルは真面目に、フォルテは面倒くさいのか何とかやめたがっていた。シアオは掃除道具をギルドに借りに行っているため不在である。

「もう疲れたー。分かってんの? もう3時間は掃除しっぱなしよ?」

「でも溜めに溜め込んでたツケがあるし……それにもうすぐ元旦だよ? やっぱり綺麗にして年をあけないと」

「だな。というかフォルテ。シアオでさえ真面目にやってんのにお前サボる気か」

「それが気に入らないからやってんじゃない」

 それからブツブツと小言を言いだすフォルテ。スウィートは苦笑いをこぼし、アルはスルーした。
 すると会話にあったシアオが帰ってきた。

「掃除道具かりてきたよー……って何でフォルテからこんな黒いオーラだしてんの?」

「気にすんな。にしても結構あるな……」

 アルがシアオの持ってきた掃除道具を見る。ほうきなど沢山のものが箱に詰められていた。
 それを見てスウィートが声をかける。

「これ……誰がくれたの?」

「ディラだよー。「しっかり掃除しろよ。もうこの年も終わりなんだしな♪」って」

「あぁ……何か納得した」

「ディラさんらしいね……」

「あんの鳥……余計なことを」

 シアオが「持ってくるの大変だったんだよー」と呑気な感想をこぼしていると、フォルテが「ならおいてきなさいよ馬鹿!」といって火の粉をシアオに撃つ。そして部屋が汚すなとアルがフォルテの頭を叩いた。
 そんな3匹を見て苦笑をこぼしてから、スウィートは「あ、」と声をあげた。

「カウントダウン、トレジャータウンでやるらしいから、行かないとね」

「お餅たべ放題!!」

「甘酒もあるんじゃなかったかしら?」

「お前ら2匹食べる飲むする前に寝てなかったか?」

「「…………。」」

 アルの言葉にシアオとフォルテが黙った。それを見てアルがはーっとため息をつく。
 スウィートは3匹の様子を気にせず、会話の内容について尋ねた。

「カウントダウンって、お餅と甘酒もらえるの?」

「ま、もらえるのは年明けてからだけどな。シアオとフォルテはその前に脱落したが」

「あぁ……。脱落する人もいるからそこまでいっぱい準備しなくていいんだね」

「そういうこと」

 それにそのカウントダウンも、掃除が終わらなきゃいけないがな。

 アルがそう言うと、シアオとフォルテが抗議の声をあげ始めた。どうやら不満がありまくるらしい。
 スウィートはそんな3匹をよそに、「よーし、頑張って終わらせよ!」とはりきっていた。







ただの季節ネタ。「季節ネタはどうですか」というアドバイスを頂き、折角なのでやらせてもらいましたー。




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