※ メロー・ウイルス
時々、自分がこんなに幸せでいいのかと思う事がある。
温かい人たち、温かい場所。
そんな場所で汚くて醜い、自分が笑ってていいのか。
一度考え出せば、それは私の頭の中を支配してくる。
「―…名前」
気がつけば、私の前でアンナがジッと此方を見つめていた。
「アンナ、」
「名前は、汚くなんかないよ」
真っ直ぐに私を見つめながら放ったアンナの言葉に、少し目を見開く。
「名前は綺麗だよ。すごく、綺麗」
そう言い、私に優しく抱きついた。
「…ありがとう、アンナ」
アンナの頭を撫で、感じる温かさに癒されながら目を閉じた。
メロー・ウイルス。
(そんな優しい場所に侵されていくのもいいかもしれない)
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