そのままでも十分魅力的




「私は今日からないすばでぃになります」


「…は?」


「目指せ副長!」


「いきなりなに。頭でも打ったの?」


「失礼ですね!昨日の夜から考えていた目標を馬鹿にしないでください!」


「馬鹿にしてるのは目標じゃなくて名前だけど……ていうか目標も馬鹿らしい」


「更に失礼!」


「…で、何でそんな馬鹿なこと考えたの」


「……昨日、赤の人達と戦ってたとき。ふと副長の方見てみたら、…揺れてたんですよ、おっぱい。こう、たわわんと」


名前は自身の手で表現するが、正直伏見にはあまり伝わらない。


「で、羨ましくなったと」


「今までそんなに気にしてなかったんですけど、間近になると…ねえ?」


「同意求めないでよ」


「え、伏見先輩興味ないんですか!?おっぱい!」


「ない」


名前は信じられん!といった目で伏見を見る。


「伏見先輩、あんた本当に男ですか?ハッ、まさか伏見先輩って…ホ、」


「お前って馬鹿なことしか言えないの?」


伏見は不機嫌さを放出させながら名前の鼻を思いっきり掴む。


「ふ、伏見せんぱ、すみませ、息、できな…!」


三途の川がかすかに見えてきたところで、伏見は手を離し名前は無事わたらずに済んだ。


「し、死ぬかと思った…!」


大袈裟な奴だなと思いながら、自然に目線が名前の顔から少し下に向く。



「…別に、今のままでもいいんじゃない」


「え、今何か言いました?」


名前は足りなくなった酸素を取り込むのに必死だった為、伏見の発言を聞き取れなかった。


「……何でもない」


そう言い、伏見は特に意味もなく反対側に向かい歩いた。
微かに頬を赤らませながら。





そのままでも十分魅力的。











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