知りたいと思うのは、君だからだろうか

時は12時過ぎ、食堂。
昼食をとる者達で溢れるなか、一部異彩を放つ席があった。
ひとつのテーブル、一人の少女。
そして、何十と積み上げられた皿の数。
今もなお、大盛りのカツ丼をがつがつと食していた。


「……気持ち悪…」


そんな光景を見て、伏見は一言感想を述べる。


「ん、伏見先輩。こんにちはー」


カツ丼を食べきった名前はへらっと笑いながら挨拶した。


「よくそんなに入るな…見てるこっちが気分悪くなる」


「だって動いたらお腹空きますもん」


と言いながらも次の料理に手をつける。
そんな名前に内心ちょっと、いや、かなり引いた様子で見ている伏見。


「……言っとくけど、あげませんから」


「いらないから」


そう言い、伏見は椅子に座る。


「え」


「なに?何か文句あるの?」


「あ、いや……気分、悪くなるんじゃ…」


「別に座る座らないかは俺の勝手でしょ」


「そういう意味じゃな、……。まあ先輩がいいならいいんですけど…」


名前は料理に箸をつける。
伏見は頬杖をしながら名前を見て、


「(……何か、リスみたいだなこいつ)」


と感じていた。
両頬を膨らませながら食べる姿は、まさにリスそのものであった。


「(こんなに食べるくせに、背は低いし、細いし―…)」


「……伏見先輩…そんなにジッと見られると、恥ずかしいんですけど…」


「気にしなきゃいいじゃん」


「いや気になりますよ!そんな食い入るように見られたら誰でもそうです!」


「…そんなに見てないし…」


そんなに見ていたのかよ、俺。
自分でも気づいてなかったとは。そっぽを向き、ふと考えた。

何でだろうか。
何事にも興味が湧かなかったのに、名前に対してはその反対。
一体どうしたんだと自分の名前に対する気持ちを知らず、伏見は一人頭の中で悩んでいた。
その気持ちに気づくのは、まだ先になるか、それとも―…。




知りたいと思うのは、君だからだろうか。







また口調迷子です。
そして捏造なってるかも…食堂とかあるのかな…(ガクブル




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