05
「…白河」
「ん、何?」
4時間目が終了し、教科書などを片付けていると櫂君が話しかけてきた。
「弁当、作ってきた」
「わあ、ありがとう!」
青色のバンダナに包まれたお弁当箱を受けとる。
「…それじゃ」
「あ、うん」
櫂君は教室を出た。早速結び目をとき、箱を開ける。
そこには鶏の唐揚げやポテトサラダ、トマトやフルーツなどバランスよく敷き詰められていた。
「あれ。ユイ、今日は弁当なの?」
そこに自分のお弁当を持ったミカちゃんがきょとんと私が開けた弁当に目を向けていた。
「うん。櫂君が作ってきてくれた」
「ええ!?普通逆じゃ「その手のツッコミは聞いたからいいよ」
目を見開き驚いているミカを放っておいて、早速唐揚げを口に含む。
こ、これは…っ!
「サクサクとしている衣、溢れ出てくる肉汁…!しかもあまり油っこくなく胃もたれしない……普通の唐揚げのステータスを越えていやがる!」
「もはや何を言っているのかさっぱりなんだけど」
「ふひゃい!」
「美味いのね」
他のおかずにも手をつけてみると、これがまた美味いわけで。
「ごちそうさまでした」
「早い!いつもよりすっごく早い完食!」
本当にどれも美味しかった。
櫂君将来料理人になれるよ、絶対。私が保証する。
「櫂君将来絶対良い婿にもなれるね」
「食いしん坊なユイにはうってつけじゃないの?」
「……」
「(ガチで迷ってる)」
今日の櫂君メモ
・料理めっちゃ美味い(良い婿&料理人になれる)
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