色は思案の他(お題箱より連載主×遊作)
「どーしたんだ、遊作」

「草薙さん、アンタ、これわかるか?」

「お、どれどれ、宿題か?」

「ああ、もうすぐ中間テストだから課題が出たんだ」

「へえ、もうそんな時期か。はやいもんだな、だから 和波君最近来るのが早いんだな、なるほど」

「 和波は?」

「今日はSOLテクノロジー社に呼ばれてこれないんだと」

「実験か?」

「たぶんなー、サイコデュエリストも大変だねえ」

「だな」

「んで、どれだ?」

「これ」


鞄をがさごそ漁り、学校から支給されているタブレットを引っ張り出し、慣れた様子で操作する。そして草薙に渡した。


「どこまで行ったんだ?教科書見せてくれ、教科書」

「ああ」


遊作は 和波に教えて貰ったテスト範囲を草薙に伝える。ふーむ、と言いながら草薙はそれをにらめっこしつつ、借りるぞ、といいながら巨大モニタに端子を繋いだ。


「一画面だけじゃわかんねえからな、こうしよう。こーいうときは紙媒体のが便利なんだがなあ」

「そうか?」

「まあ、世代かねえ。俺は紙のが便利だけどな。ま、そんなん使われちゃ困るからこのままやるぞ。ちょっと待ってろ、こーいう分野は久しぶりすぎて結構忘れてるなあ。えーっと」


しばらくあーだこーだ言いながら考えを纏め、なんとかわかったらしい草薙は遊作に考え方を教える。教科書に全部書いてあるのだ、それをどう活用するのかが応用、一ひねりもふたひねりも入った応用が今回の課題らしい。何度かやり取りを繰り返し、ようやくやり方がわかったらしい遊作は、ありがとう、と言いながらキーボードを叩く。自分好みにカスタマイズしたタブレットだ、入力したいことさえわかればあっという間に回答欄は埋まっていく。

タブレットの中身を見ながら、草薙はへーといいながら頭をかいた。


「やっぱ俺んときと比べると難しいこと勉強してんだな−、中間でこれか。がんばれよ、遊作。まだまだ難しくなるぞー、この調子じゃ。夏休みのうちに取り返さないとな」

「やっぱり中学とは違うな」

「そりゃそうだろ、中学は基礎しか習わねえんだから。これからはもっと専門性高くなるぞ、1年のうちに挫折しちゃあと2年は苦痛でしかなくなるからなあ、ま、がんばれ、高校生」

「ああ、がんばる」

「おう、がんばれ。しっかし、ま、 和波君には感謝しとけよ、遊作。ちょいちょい授業抜け出してんだろ?ノート見せてもらえなきゃ詰んでるぞ、お前?」


しかも寝てるとか、と軽く小突かれ、バツ悪くなった遊作は、しかたないだろ、と納得いかないとばかりに草薙をみる。


「忙しいのはわかるけどな、補習でplaymakerの活動に支障が出る方が困るだろ」

「……たしかに」

「あはは、ま、勉強できるのは今だけだからな」


頭をなでくりなでくりされ、草薙は笑う。されるがままの遊作はやっぱりどこかむっとしていた。


「お、お呼びみたいだぜ、playmaker」


ブザーが鳴る。 ゴーストが出現したようだ。発光するモニタを選択すると、最近追加されたパーツを使用する ゴーストがすでに噂を聞きつけてやってきた一般人とデュエルをしていた。以前、鬼塚とデュエルしていたことを思い出す。マスタールールだったり、スピードデュエルだったり、気分によって様々ではあるのだが面白いデッキを使っていると出現するという検証が出ているのをどこかの特大掲示板のスレッドで見た気がする。そのせいか、宣伝のために自分の組んだデッキをSNSや動画で投稿する一般人で賑わっているようだ。そのお祭り騒ぎに誘われて、ここのところ ゴーストは出現率が高い。結界を張らなくなったことで、大々的に表に出てくるようになったのだ。やはり鬼塚とのデュエルが印象的だったのかもしれない。


「いいよな、大人は」


遊作はぼやく。


「あはは、たしかに今日一日いろんなやつとデュエルしてるみたいだしなあ。なんにしろ、学生じゃないことたしかだな」

「俺は学生だから2週間はplaymakerは休みだ」

「おうおう、そうしろ。これでいい成績だったら、なんかおごってやるよ」

「ほんとに?」

「ああ、ほんとに。たまにはな?あ、 和波君にも言っといてくれ」

「わかった」

「これでちょっとはやる気出ただろ、さーがんばれ」

「ああ」


しばらくはデュエルディスクは放置になるだろう。寂しそうなアイの相手をするのは草薙の役割になりそうだ。ここに 和波君がいてくれたらHALがいるから仕込み作業ももっとスムーズにいくんだがなー、と思いつつ草薙は遊作に退出するよう促した。汚れてタブレットが壊れた、なんてなったら笑えない。端子を外し、モニタを切る。遊作は鞄を抱えて車の外に出る。テーブルと椅子を出して、開店直前までテスト勉強である。


「オープンしたら1時間に1個はなんか頼めよ、遊作。コーラで粘ったら怒るからなー」

「2週間も?」

「おいおい、うちは勉強するところじゃねーんだぞ、家でやれ、家で」


ちょっと寂しそうな顔をした遊作に、草薙は肩をすくめる。


「せっかくplaymaker休むんだ、学生らしいことしたらどうだ」

「学生ってどんな?」

「なにってそりゃ、聞いてみろよ、クラスメイトに」


に、と笑った草薙がどこか意地悪に見えたのは、きっと気のせいではない。


(とはいえ、どうしたらいいのやら、ってやつだな)


高校生らしいこと、と言われてもてんで浮かんでこない。ぼーっと授業を聞きながら周りのクラスメイトたちを眺めていた遊作は、形から入るべきか素直に 和波達に聞こうか迷っていた。そうこうしているうちに授業の終わりを告げるチャイムが鳴りひびく。部活はないから用がない生徒は早く帰れ、という放送が鳴り響く。


「あーもうやる気でねえ。なんでクーラーつかねえんだよ、暑すぎて授業に集中できないっての!」

「ほんとですねー、タブレットにもデュエルディスクにも良くないのになあ」

「え、まじで?結構大事じゃねーの、そこ?!意外と雑だな、うちの学校」

「あはは。それより島君って家で勉強できる人ですか?それとも外じゃないとできないタイプです?」

「俺?俺はなー、一夜漬けでなんとかなってたやつ。でもさすがにまずいよな、今回の中間。勉強しねーとやべーかも。 和波は?」

「僕ですか?僕はそーですね、誰かいた方が集中できるタイプです」

「お、俺も!そんでおしゃべりに夢中になってできた気になるやつな」

「僕にもぶっささるんでやめてくださいよ、島君」

「あっはっは、あーもうマジでどうする?デュエル部の先輩達に教えてもらえねーかなあ」

「あ、聞いてみます?でも部室は使用禁止じゃ?」

「まあさすがに自習室とか図書室までは禁止されねーだろ、たぶん。駄目ならどっか外でやろーぜ、一人じゃできる気しねーわ」

「そうですね、えーっと」


タブレットで連絡を取り始めた 和波は、好感触だったようでデュエル部行きましょう、と島を誘った。


「まじで?らっきい。部長頭良さそうだもんな、教えてもらえたらちょっとはわかるかな」

「そうですね!」


和波と島の会話が聞こえていたのかいないのか、そこにやってきたのは葵だ。


「ねえ、デュエル部で勉強会しないかってラインが回ってきたんだけど、いく?」

「お、さっそくか?提案したの俺ね」

「僕がお願いしてみたんですよ、おっけーだって言ってもらえました」

「二人ともいくの?なら私も行こうかな」

「えっと、じゃあ鈴木君は……あ、今日バイトみたいですね」

「あとはーっと、おーい、藤木!お前だけだぞ、返事してねーの。既読ついてんだから行くのか、いかねーのかだけでも教えろよ。まさかまーたうとうとしてんのか?余裕だねえ、これだから頭いいやつは!」

「聞こえてる、今返そうとしたとこだ。俺も行く。特に用事はないしな」

「お、いいね、いいね。藤木は俺らに教えてくれ」

「あ、来るのね、藤木君。よかった、私一人で教えることになるのかと思ったから助かるわ」

「藤木君が来てくれるならもっと楽になりそうですね、よかったあ」


(俺もわからないところ、あるんだけどな)


漠然とした不安を感じつつ、遊作はみんなと一緒にデュエル部に向かった。そして、自習室の一角を借りて彼らは勉強会を行ったのだった。

下校時刻の最終の放送が響いている。みんなが帰ったあと、遊作は 和波を呼び止めた。


「今からホットドック屋行くんだろ?」

「はい、いきます!遅くなっちゃったから急がなきゃ。藤木君はどうします?」

「俺も行く」

「じゃあ一緒にいきましょうか」

「ああ」


メールを飛ばせば、りょーかい、という言葉が返ってくる。


「 和波、ちょっといいか」

「はい?なんです、藤木君?」

「これ、教えてもらっていいか?」

「え?」

「勉強会で島に説明してただろ?俺もわからないんだ、こことか」

「えっ!?」

「なんでそんな驚くんだよ」

「いやだって、え、藤木君にもわからないことあるんですか!?」


遊作はためいきだ。


「お前は俺をなんだと思ってるんだ。俺だってわからないことくらいある」


たまには、とぼそっとつぶやく遊作は羞恥心がこみ上げてきたのか顔が赤い。 和波は何を思ったのかうれしそうだ。


「わかりました、今日アルバイト終わったら藤木君の家にいきましょうか」

「え、いいのか?別に明日からでも」

「だって藤木君が今聞いたのって、あのとき聞きたくなかったからですよね?」

「……じゃあ頼む」

「はい、待っててくださいね。僕、方向音痴なので置いてかれると藤木君のおうちにたどり着けない自信があります」

「なんでそんなに自信満々なんだよ、 和波」

「だって、テスト期間中はいっつもHAL口聞いてくれなくなっちゃうんですよ。僕、すぐ答え聞いちゃうから」

「ズルするなよ、お前な」

「うう、HALと同じこと言わないでくださいよー」


こうして草薙の待つホットドック屋にやってきた二人は、それぞれの持ち場についたのだった。

そしてはじまった1週間。ファミレスで島達とだべったり、 和波のカードショップ巡りにつきあわされたり、草薙さんのカラオケに連れて行かれたり、わりと充実した日を過ごしてきた遊作は、ちょっとばかりはしゃぎすぎてしまったようだった。

いつも遊作の家というのもあれなので、今日は 和波の家で勉強していたのだが、朝からいつもと様子が違うと心配していた 和波に押し切られる形で体温計を手にした。


「……やっぱり熱ありますよ、藤木君」


ぴぴぴ、と鳴った体温計をとりあげられ、 和波にずいと突きつけられた遊作は、そこに記された39℃に目を丸くする。これを見た途端、思い出したかのように遊作の体は重病患者のように不調を訴え始めた。ふわふわしているな、という感覚はあった。どこか浮ついているような、変なテンションだった。咳は出ないし、のどはいたくない、肌寒くもない、ただだるいな、というぼんやりとした不快感はあった。それは徹夜で作業に没頭していた翌日の寝不足での15時頃に感覚が似ていたものだからなおのこと遅れた。


「意外と平気なんだな、39℃って」

「普通にご飯食べてましたもんね」

「やけにのどが渇くから水をたくさん飲んだくらいか」

「平熱が高いのかもしれませんね、藤木君。僕ならまともにたってられませんもん。とりあえず、今日はうちにとまってってください。これで何かあったら大変です」

「いや、でも、」

「あ、僕だけじゃあれですし、草薙さん呼びます?」

「いや、そういう意味じゃないんだが」

「?」

「いいのか?」

「いいのかって?」

「 和波、姉と住んでるんだろ」

「いいですよ、それくらい。僕、一人暮らしみたいなものですし。あ、藤木君、どうします、今日?シャワー浴びる気力あります?」

「汗かいて気持ち悪いからシャワーだけあびとく」

「そうですか、じゃあ、適当に出しとくのでつかってください」

「……入るのか?」

「………コンビニにサイズありますかね」

「フリーサイズならなんとかなるんじゃないか」

「うう、いってきます。ついでにスポーツドリンクとか買ってきますね。休んでてください」

「ああ、ありがとう。あとで金返す」

「はい、気が向いたときにでも。えっと、たしか水枕がここに……あったあった、ちょっと堅いですけどタオルで巻いときますから、これで冷やしてください。ベッドは僕の部屋つかってかまわないので、先に休んでてくださいね」

「悪い、助かる」

「どういたしまして。それじゃ、僕、いってきます」

「ああ」


一人で体調を崩して大変な目にあったからだろうか、やたら手際がいい 和波にいろいろと山積みになるまで持たされた遊作は、そのまま部屋に上がらせてもらうことにした。高級マンションの最上階である。掃除など身の回りの世話を頼まれているロボットが遊作に気づいて、促してくる。


「その声はHALか?」

「大当たり、しんぱいなんだってよ」

「そうか」

「ああ、しっかりしろよ、藤木。思ってる以上に足下フラついてんぞ」


HALはアイと違ってネットワークに関する環境をすべて丸投げされているためか、好き勝手カスタマイズしているようだ。遊作でもなかなか快適に過ごせそうな設備などがそろっている。だから入り浸る機会が多くなり、一緒に勉強することが多くなってきたのだがそれはさておいてだ。

お日様のにおいがする布団だった。

とりあえず、 和波が着替えを買ってくるまではどうしようもない。遊作はそのままベッドに横になった。当たり前だが静かである。時計の音しか聞こえない。 和波がHALにお願いでもしたのか、快適な温度設定になるよう冷房が細かな機能を働かせている音がするがそれだけだ。遊作は目を閉じた。

静かすぎて落ち着かない。時計の音がうるさい。1週間前は当たり前だった静寂音なはずなのに、なんとなく自宅に向かう足取りが重くなる今日この頃を思い出してしまう。ああ、今、俺は一人なのか、と遊作は当たり前のことを思った。

和波か草薙さんにでも連絡をいれようか、とベッドにおいた端末をさぐる。

「あ」

堅い音を立てて転がってしまう。思った以上に力が入らない。やはり39はなかなかお目にかかれない体温だ。というか初めて見たインパクトがすごかった。今とんでもない高熱だ、という事実を体が自覚してしまったせいで、今まで全然大丈夫だったのに遊作の体は重病人になろうとしている。


「おいおい、大丈夫かよ、藤木。ガチでやべーなら救急車呼ぶぞ」

「いや、そこまでじゃない」

「あのなあ、今の顔見るか?んなこといえる状況じゃねえって」

「……なら」

「あ?」

「……… 和波はまだか?」

「寂しいならそういえっての。やっぱ草薙呼んだ方がよかったじゃねーか、ったく。もう寝てんのか応答ねえし、早く帰ってこいって連絡とるから寝てろ。なんかあったら俺様が 誠也に怒られるじゃねーか」

「ああ、わかった。ありがとう」

「へーへー」


そして、ベッドに横になったあと、ぷつりと記憶が途絶えている。


「……?」


ずいぶんとぐっすり寝ていたようだった。カーテンの隙間から差し込んでくる日差しがまぶしくて目を覚ます。知らない天井だった。驚いて起き上がろうとするが体がおぼつかない。ぼんやりとした思考の中で、首だけ横にやるとスポーツドリンクがおいてある。すっかりぬるくなった氷枕をどける。そこで制服姿ではなくコンビニで買ったと思われる安物の服だと気づいた。とりあえずペットボトルを空にするまで飲み干して、それをちょっとつぶしながら、そろえておいてあるスリッパを履き、遊作は部屋をでた。電気がついている。


「あ、おはようございます、藤木君。起きてこれたんですね、もう大丈夫そうですか?」

「ああ、おはよう、 和波」


あくびをかみ殺し、遊作は涙をぬぐう。


「まだ頭がぼーっとする」

「あ、そうなんですか?どうしましょう、おかゆまだ作ってる途中なんですよね。体温計、あそこの棚にあるのでつかってください」

「ああ、そうする」

「はい、そうしてください」


おそらくベッドにおいてあるものを使えばいいのだろうが、 和波は気にする様子もない。棚においてあるそれを抱え、椅子をひく。ぼーっとしていると、ぴぴぴ、という音が鳴った。


「……38,8」

「ちょっとだけ下がりましたね」

「風邪?」

「んー、たぶんそうだと思います。でも、どうしましょう。今から藤木君の家ってわけにもいかないですよね、なんにもないですし」

「ないな」

「じゃあ、今日も泊まっていってください、藤木君。朝は低くても夜また上がっちゃうことがよくあるので。3日以上続いたら風邪じゃないかもしれないし、病院行った方がいいかもしれません」

「でも、 和波にうつる……」

「それはそうなんですけど、今から草薙さんの家にお邪魔するのもまずいですよ、歩けます?」


遊作は首を振った。 和波の家は最上階だ。その上高級マンションのため敷地が広い。迎えを頼んで移動してをかんがえると、おそらく悪化する。


「せめて27℃になるまではうちにいてください」

「ん、そうする」

「はい、そうしてください。今日が土曜でよかったですね」

「ほんとにな」

「あ、ところでおかゆなんですけど、食べる元気あります?それとも重湯にします?」

「おかゆがいい」

「わかりました、じゃあ、もうすぐできるので待っててくださいね」

「ありがとう」

「はい」


遊作はぼんやりと 和波の後ろ姿を眺めていた。

ぴんぽーん、とチャイムが鳴る。


「はーい」


火を止め、 和波はエプロンを外しながらモニタを起動させる。


「あ、ここ?」


警備員にうなずかれ、草薙はのぞき込んだ。


「 和波君、連絡ありがとう。今エントランスにいるんだが、迎えお願いできるかな」

「あ、はい、わかりました。今行きますね」

「草薙さん?」

「お、その声は遊作か?だいぶぐったりしてるな、大丈夫か?」

「一応熱はさがった?」

「はい、ちょっとさがりました」

「そっか。ほら、いろいろ持ってきたぜ」

「ありがとうございます、草薙さん。今行きますね」

「おう、待ってるぜ」


そして動画はきられた。


「いくのか?」

「ああはい、ごめんなさい。おかゆできたので、ここに付け合わせあるので、食べててもらってもいいですか?草薙さん、僕が行かないと入れないから」

「………ああ、わかった」

「どうしました?」

「いや、なんでもない」


どうしてよんだ、なんていえるわけがなかった。ただ寂しそうな、言いかけた言葉の先を察したのか、 和波は大丈夫ですよ、と笑う。


「ちょっとだけ待ってもらってもいいです?僕もご飯まだなので、たぶん草薙さんもってきてくださったと思いますし、おかゆだけじゃ足りないですよね。一緒に食べましょう」

「ああ、そうする」


うなずいた遊作に 和波はすぐ帰ってきますから!と大急ぎで出て行った。とりあえず、二人が来るのをまとう。遊作は椅子を引いて、ぼんやりと待つことにした。少なくても昨日寝る直前のような耐えられないほどの寂ししさはそこにはない。



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