ヴレインズ試作C
いよいよ、リンク召喚のチュートリアルである。リンク召喚の仕方は親切なブルーエンジェルがすべて教えてくれた。次はいよいよ本番である。

ブルーエンジェルはフィールド魔法《テラ・フォーミング》の効果を発動、《トリックスター・ライトステージ》をサーチして、フィールドにセットする。そして煌びやかなアイドルたちの祭典に、《トリックスター・キャンディナ》が召喚された。そして、《トリックスター・リンカーネーション》をサーチ。そして、罠を2枚伏せてターンがわたる。

「ボクのターン、ドロー!」

誠也はほっとした。

「ボクは魔法カード《精神操作》を発動!このターンのエンドフェイズまで、《トリックスター・キャンディナ》のコントロールをもらうね!これでよしっと。安心して発動できるよ!ボクはフィールド魔法《星遺物との邂逅》を発動しま〜す!このカードがフィールド上に存在している間、ボクの《星杯》モンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップするんだよ!そして、1ターンに1度、ボクの表側表示の《星杯》モンスターがブルーエンジェルさんの効果でフィールドから離れたり、戦闘で破壊された場合、ボクの墓地の《星杯》モンスター1体を対象として、守備表示で特殊召喚することができるんだ!」

フィールドは一瞬にして朽ちていく運命の遺跡となる。今は失われた文明。高度な文明を象徴している人工物は深い森にひどく不釣り合いだ。浮いている人工物にはツタが生い茂り、もはやかつての繁栄は見る影もない。長年風雨にさらされ、土砂崩れの餌食になり、人工物の一部が瓦礫となっている谷の先で、それはあった。巨大な機械仕掛けの遺物である。

「ボクは永続魔法《ブリリアント・フュージョン》の効果を発動!このカードを発動した瞬間に、デッキから《ジェムナイト》融合モンスターカードに決められた融合素材のモンスターを墓地に送って、その融合モンスターを攻撃力守備力を0にした状態で特殊召喚するね!」

ブルーエンジェルはチェーンして発動した罠で、《ブリリアント・フュージョン》と《星遺物との邂逅》を破壊してしまう

「あああっ!?うう、しかたないなあ。ボクは《星杯に誘われる者》を召喚!そしてこの子でリンク召喚!来て、《星杯竜イルドューク》!」

黄緑色のドラゴンが光来する。

「モンスター効果を発動!この子がモンスターゾーンに存在する限り、ボクはもう1度通常召喚をすることができるよ!ボクは《トリックスター・キャンディナ》をリリース!《星遺物ー星杯》をアドバンス召喚!」

誠也が先ほど展開していたフィールド魔法にて、冒険の始まりとなる少年少女青年が妖精に導かれた先で発見したかつての文明の遺産が現れる。巨大な機械仕掛けの杯だ。

「そして、《星遺物ー星杯》と《星杯竜イムドゥーク》この2体でリンク召喚!来て、《星杯剣士アウラム》!エクストラゾーンに特殊召喚!墓地に行った《星遺物ー星杯》の効果を発動!このカードはフィールドから離れたとき、デッキから《星遺物ー星杯》以外の《星杯》モンスターを2体特殊召喚することができるよ!ボクは《星杯剣士アウラム》のリンク先に《星杯の守護竜》と《星杯を戴く巫女》を守備表示で特殊召喚!」

星杯の加護を受けた幼い少年は凜々しい青年となり、その両脇を幼い竜と幼なじみの少女が寄り添う。

「そして、《星杯剣士アウラム》の効果を発動!リンク先にある《星杯》モンスターを1体リリースして、墓地にあるモンスターをそのリンク先に特殊召喚するよ!対象は《星杯の守護竜》!」

だが、ブルーエンジェルはもう1枚の罠を発動し、《星杯剣士アウラム》を破壊してしまった。

「またっ!?ま、負けないよ!ボクは《星杯を戴く巫女》を墓地に送って、!《リンク・スパイダー》をエクストラゾーンにリンク召喚!そしてモンスター効果を発動!手札からレベル4以下の通常モンスターを《リンク・スパイダー》のリンク先である下に特殊召喚するよ!来て、《星杯を戴く巫女》!そして速攻魔法《緊急テレポート》の効果を発動!手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスターを1体、特殊召喚するよ!来て、《星杯に選ばれし者》!そして、《星杯を戴く巫女》と《星杯に選ばれし者》でリンク召喚!来て、《星杯神楽イブ》!」

《星杯を戴く巫女》が星杯の加護を受け、美しい女性に成長を遂げる。

「そして、ボクは墓地の《星杯の守護竜》のモンスター効果を発動!この子を除外して、ボクの墓地にある《星杯を戴く巫女》を守備表示で《星杯神楽イブ》のリンク先に特殊召喚!そして、《リンク・スパイダー》と《星杯を戴く巫女》でリンク召喚!きて、もう1体の《星杯神楽イブ》!」

まるで双子のように、二人の巫女が両手を握り、寄り添う。

「罠を1枚伏せてターンエンド、だよ」

ブルーエンジェルは動く。《テラ・フォーミング》によるデッキ圧縮、そして《トリックスター・ライトステージ》の発動。《トリックスター・キャンディナ》、《トリックスター・マンジェシカ》のコンボによりあっという間にフィールドはきれいな少女たちの舞台となる。そして、2体の《トリックスター》モンスターがリリースされた。初めて見るモンスターもいる。《トリックスター・リリベル》、文字通り大きなベルを持っている。

「えっ、なになに!?もしかして、ブルーエンジェルさんのリンクモンスター!?」

期待のまなざしに、青色の天使はうなずいた。ブルーエンジェルの前に、《トリックスター・ライトステージ》にも描かれた、美しい青のコスチュームに身を包んだ少女が現れた。ブルーエンジェルは説明する。彼女のエースであり、リンク先に《トリックスター》モンスターが召喚、特殊召喚されるたびに200のバーン、リンク先の《トリックスター》モンスターは戦闘・効果では破壊されない。誠也が《トリックスター》のモンスター効果でバーンを受けるたび攻撃力が上昇する。ステータスは2000と低いがたいした問題ではない。

彼女はバトルに移行した。

「《星杯神楽イブ》の効果を発動!リンク状態のこの子たちは、戦闘・効果では破壊されず、ブルーエンジェルさんの効果の対象にはならないの!」

いわば疑似ロックといったところである。ブルーエンジェルは攻撃力800の《トリックスター・リリベル》の攻撃を宣言した。え、と驚く誠也だが、直接攻撃できるらしい。

「うわっ」

直接攻撃をトリガーとした《トリックスター・ライトステージ》の200バーン、そして《トリックスター・リリベル》のサーチ効果が後の布石となる。火力が上がった《トリックスター・ホーリーエンジェル》の攻撃が猛威を振るう。メイン2でサーチした《トリックスター・キャンディナ》が召喚され、ふたたび《トリックスター・リンカーネーション》がサーチされた。罠が2枚伏せられる。リンクモンスターは守備表示にできないためサンドバックも同然だが、しのぐことができれば問題はない。

「ボクのターン、ドロー!ボクは墓地にある《星遺物ー星杯》の効果を発動!」

ブルーエンジェルが墓地に行った罠を発動し、除外してしまう。そして、2枚の《トリックスター・リンカーネーション》が発動。誠也の手札がすべて除外され、その分ドローが2回も続く。そして墓地にいってすぐ除外され、《トリックスター・キャンディナ》がフィールドに特殊召喚、手札が補強される。《トリックスター・マンジェシカ》があったら下手したら負けていたかもしれない。《星杯》は魔法を多用するテーマだ、ただでさえ手札が枯渇するのに《トリックスター・マンジェシカ》を並べられたらそれだけでだいぶ動きにくくなる。今回は様子見と初めてのリンク召喚だから大目に見てくれているのだろう。そう思った。

「うう、負けない!ボクは魔法カード《星遺物の加護》の効果を発動!ボクの墓地にあるカード名が異なる《星杯》モンスター2体を手札に加えるよ!そして《レスキューラビット》を召喚!モンスター効果を発動!デッキからレベル4以下の同名の通常モンスターを2体特殊召喚するよ!来て、《星杯に選ばれし者》たち!」

フィールドに2体の勇者志望の少年が並ぶ。

「《星杯に選ばれし者》1体でリンク召喚!エクストラゾーンに《星杯竜イムドゥーク》をリンク召喚!そして《星杯竜イムドゥーク》と《星杯に選ばれし者》でリンク召喚!来て、《星杯剣士アクラム》!そして墓地に送られた《星杯竜イムドゥーク》の効果を発動!手札から《星杯の妖精リース》を守備表示で特殊召喚!そして、召喚に成功した《星杯の妖精リース》のモンスター効果を発動!デッキから《星遺物ー星杯》を手札に加えるよ!そして《星杯神楽イブ》でリンク召喚!《星杯竜イムドゥーク》!墓地に行った《星杯神楽イブ》の効果を発動!手札から《星杯に誘われし者》を1体特殊召喚するよ!そして、《星杯竜イムドゥーク》の効果により、《星杯竜イムドゥーク》をリリース、《星遺物ー星杯》をアドバンス召喚!そして、《星遺物ー星杯》と《星杯の妖精イブ》でリンク召喚!《星杯神楽イブ》!」

めまぐるしく変わる連続リンク召喚。フィールドは青のカードで満たされていく。

「《星遺物ー星杯》の効果で、ボクは《星杯の守護竜》と《星杯を戴く巫女》を守備表示で特殊召喚!そして、《星杯の守護竜》をフィールドから墓地に送って、《星杯の妖精リース》を手札に加えるね。そして、《星杯神楽イブ》と《星杯竜イムドゥーク》でリンク召喚!来て、《星杯剣士ニンギルス》!この子のモンスター効果でボクはリンクしてる分だけカードを3枚ドロー!そして《星杯神楽イブ》の効果で手札の《星杯の妖精リース》と《星杯に誘われし者》を特殊召喚!召喚に成功したことで、ボクはデッキから《星杯の守護竜》を手札に加えるよ!そして《星杯を戴く巫女》と《星杯の妖精リース》でリンク召喚!来て、《電影の騎士ガイアセイバー》!」

これで誠也のフィールドには《電脳の騎士ガイアセイバー》、《星杯剣士ニンギルス》、《星杯剣士アウラム》が並んだ。

「《星杯の妖精リース》の効果でボクは《星杯》モンスターをサーチ!ボクは《星杯剣士ニンギルス》のモンスター効果を発動!《星杯に誘われし者》と《トリックスター・ホーリーエンジェル》を墓地に送るよ!そして、《星杯剣士アウラム》の攻撃力は墓地にある《星遺物》の種類×300アップ!だから2300!そして、墓地の《星杯の守護竜》を除外してモンスター効果を発動!墓地にある通常モンスター1体を《星杯剣士アウラム》のリンク先に守備表示で特殊召喚して、リリース!《星杯剣士アウラム》の効果で墓地の《星杯神楽イブ》を特殊召喚!」

意を決して、誠也はバトルを宣言した。初陣を勝利で飾れた誠也は万歳三唱である。

「いやったあ!初めてのリンク召喚うまくいったよ、ブルーエンジェルさん!ありがとう!」


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