スペクターがライトニングに負けた。
「雑魚には雑魚の使い道ってどういうことだよ、ライトニング!」
思わずHALは自分がゴーストであることも忘れて叫んだ。
「よそ見をしている場合か、ゴースト」
「......ああうん、そうだったね。ワナビーを助けに行く為にも、君を解放する為にもデュエルをしなくちゃいけないこと忘れてたよ!」
「解放など必要ない。今の俺はライトニングにより生まれ変わったのだ」
「面白くない、面白くないよ、鬼塚くん。君とのデュエルはいつもワクワクした。そりゃ君にとっては副産物の名声や知名度だったかもしれないけどさ、フィーアちゃんたちに応援されてた君も案外悪くなかったんじゃないの?」
「そんなもの、とうに捨てた」
「そっかあ、残念だなあ鬼塚くん。なら君はボクに絶対勝てないよ」
「なんだと?」
「精霊プログラムも敵に回すようなこといってまともなデュエルができるとでも思っているのかな?」
ゴーストは笑った。
今の鬼塚は剛鬼ではなくダイナレスラーと名のついたモンスター群からなるテーマカテゴリだ。属するモンスターは全て恐竜族で統一されており、風属性の《ダイナレスラー・カパプテラ》以外は全て地属性、リンクモンスターとチューナー以外は全て守備力0である。
一部のカードは「相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合」という条件で発動等ができる効果を持つ。
《ダイナレスラー・テラ・パルクリオ》以外のエクストラデッキのモンスターは以下の共通テキストを持つ。
このカードが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。
恐竜(あるいは、同時代の爬虫類)を人型にしたようなデザインをしている。カテゴリ名の由来は「ダイナソー(Dinosaur)」+「レスラー(Wrestler)」だろう。属するモンスターのベルトのバックルなどに共通したデザインの「DW」の文字が見られるが、これは上述の2単語の頭文字と思われる。属するモンスターのデザインやカード名は基本的に格闘技が元になっている。
鬼塚は笑った。
「残念だが今回俺が使うのは剛鬼だ」
「なんだって!?」
ゴーストは驚きの声をあげる。鬼塚は先行をとったため展開を始めた。
剛鬼を含む戦士族2体からイゾルデをリンク召喚し、剛鬼たちの効果を駆使しながら回収。剛鬼再戦をふたたび墓地から回収しながら、さらなる展開につなげていく。ジェットオーガからのジャイアントオーガへの連続リンク召喚である。気づけば鬼塚のフィールドにはサモンソーサラー、ジャイアントオーガが立ちはだかっていた。