『やあ、playmaker!待ってたよー!』
「随分と顔を出すのが遅かったな、ゴースト」
『あはは、ごめんね、待っててくれてたのかな?ボクも一応指名手配の身だからねえ、SOLテクノロジー社が本格的に乗っ取りや別垢対策を始めたもんだからなかなか顔を出せなかったのさ。寂しい思いをさせちゃってごめんねー!』
「捕まってはないだろうとは思ってたが無事でよかった。知ってるだろうがお前がばらまいてるコピーの一体がライトニングたちのウィルスに感染して、ワナビーがデュエルに負けて行方不明なんだ。責任とれよ」
『もっちろーん、初めからそのつもりだよやだなあ。ワナビーには悪いことしちゃったからね』
ゴーストは相変わらず未知の世界への止みがたい歩みを続ける子犬のように無邪気に首を突っ込むつもりのようだ。好奇心でいっぱいになった少年のような表情でplaymakerに質問する。playmakerは呆れ顔のまま事情を説明し始めた。
好奇心の塊のような男だ。張子の虎のように、首を突き出して、その話に加わってきた。物の本の一章をめくるような興味と期待で、きいた。そこには灼けつくような好奇心があった。カギを開けてのぞき見したいと疼く。聞いてもらいたいこと、知りたいことが溢れてくると、がまんできなくなる。胸の中に風船があるみたいに、胸の中の何かが膨らんでくるのだ。胸の中で膨らんだものをそのままになんかしておけないと身を乗り出す。乗り出しすぎて、前につんのめりそうになった。
きっとゴーストは「宇宙人がやってきたら、『どうも、どうも』なんて手を挙げて、われ先にと会いに行くタイプだ。周囲の音が、見覚えのない筆跡に吸い込まれるみたいにしてすーっと遠ざかるタイプ。心の奥底で本能の光がまたたいて、行けと言ったように迷わなかった。
偶然に不思議を見つけた子供のような好奇な顔つきにplaymakerは仲間になるよう勧誘した。二つ返事だ。
こんがらがった糸が静かにほごれて行くのを見つめるように、不思議な興味を感じながらplaymakerは集合場所と時間を指定した。
『というわけで偽ゴーストや偽ワナビーくんが出たらボクの相手ってわけだ。邪魔しないでね!』
「お前な......遊びに行くんじゃないんだぞ、そんな気軽さで大丈夫なのか?相手はワナビーを下した強敵なんだぞ」
『もちろん!でもさあ、偽物が本物より勝るなんてことあっちゃいけないとは思わない?』
ゴーストはウインクした。