vsブレイブマックス

ブレイブマックスは今日も新生ヴレインズにログインしていた。最近ウィンから連絡がないことが心配ではあったがなにかと理由があるのだろう。それよりも新しいこの仮想現実で実装されたスキルを試したくてたまらなかったのである。

勝負を挑んできたのは、デフォルトのままのアバターだ。そのわりにデッキががっつり課金されているようでブレイブマックスが見たこともないデッキだ。ネットで検索しても出てこない。初めはゴーストかと思ったがどうやら違うようだ。

「おもしれえ、受けてやるぜ!」

ブレイブマックスはスピードデュエルを承認した。Dボードに乗り、風に乗る。

相手は墓地肥やしが前提のデッキのようで《クリバンデット》だけがフィールドにいる。

「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード《コズミックサイクロン》の効果を発動だ!1000LPを払い、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する!」

お気に入りのエフェクトがブレイブマックスを照らす。よかった、いつぞやのような手札事故ではないらしい。

「そしてこの瞬間、スキル《動かざること地の如し!》の効果を発動だ!自分のライフポイントが3000以下になった後に1度だけ使用できる。フィールド魔法《ガイアパワー》を発動するぜ!自分フィールド上にフィールド魔法が存在している場合、そのカードは手札に戻る!」

ブレイブマックスのフィールドに《ガイアパワー》が出現した。

「フィールド魔法《ガイアパワー》の効果は、フィールド上に表側表示で存在する地属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンするんだぜ!これで地属性モンスターの打点が500上がる!いっくぜー!俺は《デスマニアデビル》を通常召喚!こいつの攻撃力は1700だから《ガイアパワー》の効果で攻撃力は2200!さあ、バトルだ!」

もちろん《クリバンデット》は敵ではない。あっというまに蹴散らされる。

「ここで《デスマニアデビル》のモンスター効果を発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。デッキからレベル4以下の獣族モンスター1体を手札に加える!サーチしたのは《怒れる類人猿》だ!カードを一枚伏せてターンエンド!」

後攻のターンがやってきた。なにやら時代遅れの変声機ごしの音声がきこえてくる。

『《インフェルノイド ・デカトロン》を通常召喚。モンスター効果を発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから《インフェルノイド・デカトロン》以外の《インフェルノイド》モンスター1体を墓地へ送る。このカードのレベルをそのモンスターのレベル分だけ上げ、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。《インフェルノイド 》モンスターを墓地に送る』

ブレイブマックスは固唾を飲んで見守る。ステータスが馬鹿高いモンスターばかりなのは気のせいか。

『魔法カード《モンスターゲート》の効果を発動。自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚する。残りのめくったカードは全て墓地へ送る。……《インフェルノイド ・デカトロン》を特殊召喚』

さいわいきたのは弱そうなモンスターだが相手は止まらない。

『手札から《インフェルノイド ・アスタロス》を攻撃表示で特殊召喚。このカードは通常召喚できない。自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下の時、自分の手札・墓地から《インフェルノイド》モンスター1体を除外した場合のみ手札から特殊召喚できる。1ターンに1度、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない』

まだ相手は手札をきる。

『さらに《インフェルノイド ・ルキフグス》のモンスター効果を発動。このカードは通常召喚できない。自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下の時、自分の手札・墓地から《インフェルノイド》モンスター1体を
除外した場合のみ手札から特殊召喚できる』

特殊召喚のエフェクトがはいった。

『レベル1《インフェルノイド ・デカトロン》にレベル4《インフェルノイド ・アスタロス》とレベル3《インフェルノイド ・ルキフグス》をチューニング。シンクロ召喚、レベル8 《PSYロード・Ω》。カードを2枚伏せる。ターンエンド』

よかった、とブレイブマックスは胸をなでおろした。

「よーし、俺のターン、ドロー!《怒れる類人猿》を通常召喚!このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。このカードのコントローラーは、このカードが攻撃可能な状態であれば必ず攻撃しなければならない。そして魔法カード《野性解放》を発動だ!フィールド上の獣族・獣戦士族モンスター1体を選択して発動できる。選択した獣族・獣戦士族モンスターの攻撃力は、そのモンスターの守備力分アップする。この効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊されるよってこいつの攻撃力は3200!」

『相手ターンに《PSYフレームロード・Ω》を対象に墓地の罠カード《仁王立ち》の効果を発動。墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。このターン、相手は対象のモンスターしか攻撃できない』

「でも攻撃力はこっちの方が上だ!」

『《PSYフレームロード・Ω》のモンスター効果を発動。自身と相手の手札1枚を除外。唯一の攻撃対象であった《PSYフレームロード・Ω》がフィールドを離れたことで相手はこのターン攻撃不能になる』

「マジかよ、バトルできねえじゃねえか!しかたねえなあ。エンドフェイズに《怒れる類人猿》は《野性解放》の効果で破壊される!でもって、《森の番人グリーン・バブーン》のモンスター効果を発動だ!このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドの表側表示の獣族モンスターが効果で破壊され墓地へ送られた時、1000LPを払って発動できる。このカードを特殊召喚する!《ガイアパワー》の効果で攻撃力は3100だぜ!」

「ターンエンドだ!」

『ドローフェイズ。自分スタンバイフェイズに《PSYフレームロード・Ω》がフィールドに帰還。相手スタンバイフェイズに《PSYフレームロード・Ω》のモンスター効果で除外された《仁王立ち》を墓地に戻す』

「ま、まさかこれは無限ループ!?攻撃を永久的に封じることができるってやつかよ!このロックから逃れるには《PSYフレームロード・Ω》を除去するしか方法が無いわけか!しかも《フレームロード・Ω》自体がメインフェイズ中は好きにフィールドを離れることができるため、とにかく除去が難しいじゃねーかもう!」

しばらくのこう着状態が続いた。

『ドローフェイズを宣言。メインフェイズに移行。永続魔法《煉獄の消華》を発動。手札を1枚捨ててこの効果を発動できる。デッキから《煉獄の消華》以外の《煉獄》魔法・罠カード1枚を手札に加える。このターン、自分は《インフェルノイド》モンスター以外のモンスターを召喚・特殊召喚できない。手札に加えたカードを発動。永続罠《殻醒する煉獄》。自分スタンバイフェイズ毎にこの効果を発動できる。デッキから《インフェルノイド》モンスターを2体まで墓地へ送る。次のターンから始動予定』

ブレイブマックスは顔がひきつるのを感じた。

『《インフェルノイド ・ネヘモス》を特殊召喚。自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下の時、自分の手札・墓地から《インフェルノイド》モンスター3体を除外した場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。このカード以外のフィールドのモンスターを全て破壊する』

「そうはいくか!このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドの表側表示の獣族モンスターが効果で破壊され墓地へ送られた時、1000LPを払って発動できる。このカードを特殊召喚する。こい、もう1体の《森の番人グリーンバブーン》!《ガイアパワー》の効果で攻撃力は3100だ!」

『ターン終了』

「よかったー、乗り切った!いくぜ俺のターン、ドロー!」

「《おとぼけオポッサム》を召喚、モンスター効果を発動だ!こい、《森の番人グリーンバブーン》!そんで墓地から《チェーンドッグ》2体を特殊召喚!《ガイアパワー》の恩恵を受けてバトルだ!」

無事勝利できたブレイブマックスだがデュエルに負けたら悪質なウィルスに感染させられると知るのはもっと後のことである。
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -