If Story

▽ 4*


「リボンを外したら、昨日みたいに先っぽにキスをして、ぐちゃぐちゃになるまで舌で舐めて、それからきつく吸ってあげたいな」
「はぁ……あぁッ」

葵の耳元で昨夜の行為を思い起こさせるように囁けば、葵は熱い吐息を零して肩を震わせた。あの時の強い快感を思い出したようだ。

「でもパパの許可なくイこうとした悪い子にはまずお仕置きが必要だからね。がんばるんだよ」

二人の中で射精に関してのルールなんて存在はしていない。だから葵に罰を与えられる謂れはないのだが、プレイの口実なんてこじつけでも構わない。葵もリボンを食い込ませて苦しそうにしながらも、馨の言いつけに素直に頷いてみせた。

「ねぇ、葵。ここはどうなってる?」

馨は葵のウエストを引き寄せて抱え直すと、上体にぴったりと張り付くレース素材を撫で上げる。行き着く先はもちろん胸の尖り。刺繍がされている場所は固く盛り上がっているが、それとは異なる感触が馨の指に伝わる。

「ん、あぁっ…ぅ…んッ」
「昨日あんなに冷やしたのに。まだ腫れてるのかな」

その部分をカリカリと爪で引っ掻いてやれば、葵の背が仰け反ろうとする。でももう片方の腕できつく胴回りを抑え込んでいるせいでそれは叶わない。

布越しでなく直に苛めてやりたいが、もどかしいのは葵も同じらしい。もっと強い刺激を欲しがって悶える姿はいやらしくて堪らない。

それに、強制的に狭められた管を懸命に迫り上がってきた透明の蜜がぴゅくんと溢れては、リボンを濡らし続ける様も、馨を楽しませた。それに気付いた葵が居た堪れなそうに泣くのもいい。

その場の思いつきで始めた遊びだったが、これはなかなか面白い。

「ぁ…んんっ…ぱ、ぱ……パパっ」

しばらくただ胸を引っ掻き、葵が悶える様を楽しんでいると、葵の泣きが激しくなってきた。普段は滅多に馨を呼ぶこともしないのに、縋るように甘えた声を出してくる。

でもそれが葵の最大級の懇願だ。きつく食い込むリボンを取ってほしいとも、胸を摘んで押し潰してほしいともねだることは出来ない。そんなことを口にすれば、馨の機嫌を損ねることはよく理解しているのだろう。

「どうしたの?もうパパが欲しくなっちゃった?」

葵が求めることを分かっていて、馨はあえて外した答えを提示してみる。リボンが吸収しきれなかった粘液が伝うその先。ほんのりと紅く色づく蕾がひくついている。

葵は馨の罠に簡単に引っかかり、必死に頷いてきた。馨が満足すれば解放してもらえるとでも思ったのだろう。でもその過程は葵にとって相当苦しいものになる。

指で貫かれただけでも白濁を飛び散らせるほど淫らな場所を、この状態で触れられたらどうなるか。想像すればすぐに分かるはずなのだが、葵はもう冷静に物事を判断できないらしい。初めから、葵に馨を拒むという選択肢はないのだけれど。

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