私と彼と理性のトライアングル 参
少し息を弾ませて門までたどり着くとこんのすけは飛び上がりながら「遅いです!」と文句を言ってきた
門横には過去へ繋ぐ為の装置が置いてある
講習でならったら通りに行き先を「函館」に示した
えっと、このあとは……
「あ、こんのすけ!あれつけてないよ!あれ!あれ!」
あれ、が思い付かなくて山姥切を指差したりジェスチャーしてはこんのすけは首を傾ける
そして山姥切にも怪訝な目線を向けられた……不覚!
「はて……?ああ!主様のあれとは刀装でごさいましょうか?」
「そうそれ!つけないと山姥切怪我しちゃうでしょ?へっへーん、講習でならったしー」
「お見事ですね!ですが今回はそのままでいってもらいます」
「は?」
こんのすけの言葉に今度は私が首を傾けるとこんのすけは「いいですか?」と私に問いかける
「現在の目的は刀剣男子の出陣、刀剣男子の手当てです。なので刀装は今回使わず山姥切国広様単体で戦場にいってもらいます」
「山姥切に怪我を…してこいってこと?」
「包まず言えばそうなります。
そうしなければ主様の手当ての実践ができません。講習で習ったことを完璧にするには必要なことなのですよ。
全ては主様がこれから審神者として一人前になるためです。」
こんのすけの言い分もわからなくはない
全部私のためを思って言ってる……
それにこれは審神者の皆が必ず通る道なのだ
でも…それじゃあ、山姥切の意思は……
「俺は別に平気だ」
視線を山姥切に向けてた私に珍しく優しく答えた山姥切
よくわかったね、とはいえず山姥切の思いを無駄にしたくなくて私は「わかった」と決意しては門をあけた
「山姥切!無理だとおもったら逃げてきていいんだからね!絶対生きて帰ってきて!」
「……いってくる」
重たい扉が山姥切を隠すように閉まった
「……大丈夫かな」
「大丈夫です、生きては帰ってきますよ。いえ、どんな手を使ってでも必ずこの本丸に帰らせますからご安心を主様!」
「……そうだね。よし!その間この本丸の構図でも下調べしておくかねー」
「ではこのこんのすけがご案内致します!ささ、こちらです!」
相変わらずこんのすけは走って何処かへいってしまった
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