164暗号
ビルから脱出する為に、梓達は屋上を目指して階段を駆け上がっていた。
上の階にも数名見張りはいたようで、できるだけ音を立てないように峰打ちで気絶させるその手際が良すぎて西京は目を見張る。

随分戦い慣れていると思う。
あの体育祭から見違えた。体育祭の時だって決して悪い動きはしていなかったが、今は段違いに洗練された動きである。
一瞬で距離をつめ音を最小限に峰を打つ。
無個性の動き、東堂一族の動きだった。


『よし、粗方片付いたな……ん?なに?』

「……いえ」

『え、なにその目。ヒーロー科の皆みたい』

「ヒーロー科、ですか?」

『うん…時々そんな目で見られるの。“イカれてる”って呟きながら』

「ぶっ」


思わず吹き出してしまった。
ぷくっと頬を膨らませてしまった主上に「申し訳ありません」と呟けば、渋々許してくれた。

それにしても、近接戦闘術は結構なお手前だ。一族内でも抜きん出ている気がする。

きっと体育祭から、いろいろあったのだろう。
話に聞いた限りじゃ波乱万丈でいつ死んでもおかしくない状況だったと思う。
よくぞご無事で、と心の中で思っていれば、前を走っていた梓が『屋上に続く扉だ!』と明るい声を上げた。

敵がいるかも確認せずにバーン!と扉を開け放った少女に、警戒心が足りなすぎるとヒヤヒヤしながら後に続く。幸い敵はいなかったようだが、西京は顔をしかめると風に羽織をはためかす少女に「無用心すぎます」と苦言を呈した。


『え?なんで?』

「1度扉の前で考察すべきでした」

『あー…ごめんなさい』

「いえ、疑う事が不得手である事は俺も存じていましたから、俺が止めるべきでしたね」


申し訳ありません、と眉間にシワを寄せた西京に梓は『いや、西京は悪くないよ。ごめんなさい』とばつの悪そうな顔で刀を仕舞うと、屋上のフェンス越しに地上を見下ろした。


『ほー、高い…』

「降りられそうですか」

『西京とその子を抱えて降りるとなると、少し慎重にいかなきゃだけど、降りられるよ』


面食らって、俺は後でも大丈夫ですが、と口を挟もうとするが梓は聞いていないようで少女を紐で前に抱っこするように固定すると、はい掴まってと言わんばかりに西京に『ん。』と背を向けた。


「………」

『西京、早く。追っ手が来ちゃう』


主上に抱きついて屋上ダイブなんてそんな無茶な。

そんなことしたら水澄やハルトになんと言われるかわからないし、そもそも恐れ多くて一歩が踏み出せず西京は思わず首を横に振った。
護衛対象を確実に守るために屋上から逃げることを提案したのは自分だが、まさか当然のように自分が守る対象に組み込まれているとは思っていなかったのだ。

まさかの西京からの拒絶に今度は梓がびっくりしていて、


『こんな危険なところに置いていくわけないよ。早く』

「ですが…」


いつもの無表情を崩して動揺する西京だったが、ドタドタと階段を登る足音が近づいてきて、痺れを切らした梓に『早く!』と急かされ、やるしかない、と小柄な主上の肩に触れようとした、その時、炎がぶわりと屋上に舞い飛んできた。


『「あっ」』


ダンッ、と降り立ったのはエンデヴァーだった。


「無事か!?」

『ぶ、無事ですけど、何故ここに』

「ホークスからの情報だ。お前達が護衛対象と共にここにいると」

『ホークスさんが!?え、なんで?』


話している暇はなかった。

「敵が来ます!」と西京が警戒態勢に入ったと同時、扉が開き、謀られ怒りくるった敵集団が屋上に雪崩れ込んでくる。
が、彼らもまた梓達と同じようにエンデヴァーの存在に驚いたようで、それからは一瞬だった。

一瞬で制圧された。


『……早、』


誘拐を企てた敵集団をエンデヴァーによって全員気絶させられ山になって転がっており、唖然と突っ立っている梓の頭にぽん、とエンデヴァーの手が乗る。


「よく守った」

『…え、いや、私は何も』


特に何もしていない、と首を振るがいつのまにかエンデヴァーの視線は西京に向いていて「お前もよくやった。助かった」と肩を叩いている。
暫くして警察が現れて敵を連行しはじめ、守った少女は親元へと保護され、梓たちはお役御免となった。





パトカーで連行されていった敵達を見送ると、未だ「大丈夫だった!?梓ちゃんが消えた時ほんとにびびったんだからね!」と半泣きな緑谷を置いて梓は何かを探すように空を見上げた。


『うーん…、声をかけてくれればよかったのに』

「何がだ」

『あ、轟くん、いやね、私たちが屋上にいることをエンデヴァーさんに知らせてくれたのは、ホークスさんらしいんだ』

「そうだったのか」


そりゃ、礼が言いたいよな、と納得して一緒に空を見上げる轟に頷いていれば、もみくちゃにされた西京がスッと近づいてきた。


「あまり向こうから声をかけることはできないかと」

『え、なんで?というか西京、どうしてそんなにもみくちゃに?』

「側近の誰よりも早く貴方と共に戦ったことをハルトと水澄に妬まれまして、少々嫌がらせを受けました」

『エッ』

「しょうがないではありませんか!何故忠誠心の高い僕ではなく、よりにもよってあの西京なのですか。くそ、護衛の位置どりを間違えました…!」

「わたくしの方が、カナタ様派閥の西京よりも絶対にお役に立てましたのに!」


目を釣り上げてぷんすかするハルトと水澄など知らんぷりで表情を変えない西京に(本当は私派なのに、顔に出さないんだなぁ)と苦笑する。

西の分家の内情を探るためにもまだスパイとして動くべきだと考えている彼は、梓の庇護下に入ることを良しとしなかった。
感情を隠すこと、本心を悟られないようにすることは慣れているらしい。


「西京、しっかり姫様のお役に立ったのだろうな?」

「…さて、どうかな」

『たったよ。西京はとても冷静で、助かった』


はぐらかした西京にハルトが青筋を立てる前に、間髪入れずに梓が答えたことで皆拍子を抜かれたような顔をした。
水澄とハルトがきょとんとし、見守っていた香雪が面白そうに笑みを浮かべ、西京は目を丸くしている。


「本当に姫様のお役に立ったのですか!?」

『うん、とても。ありがとう、西京』

「いえ」


水澄とハルトが少し悔しそうな顔をする中、西京はすぐに無表情に戻ると「当然のことをしたまでです」と一歩下がろうとしたが、ぐいっと羽織の袖を梓に掴まれつんのめる。


「っと、どうされました」

『さっきの続き。どうしてホークスさんは私に声をかけてくれなかったんだろう』


じっと目を見られ、西京は少し無表情を崩しつつもちらりと周りを見た。
轟や他のヒーローたちに聞かれるわけにはいかなくて、梓に近づいて口パクで(あとで)と言えば伝わったようで、袖から手が離される。

周りが不思議そうに見る中、視線から逃げるように西京は梓から距離を取るのだった。




警察の事情聴取が終わり、全員一度事務所に戻った。
今回活躍した梓はサイドキックに「よく守った」と褒められ、アイスをもらい嬉しそうにしている。

それを微妙な表情で眺める男が2人。
轟と、爆豪である。
緑谷は無理もない、とため息まじりに眉を下げた。


(あれは、トラウマだ…)


目の前で梓が消えるのは、轟と緑谷にとってはトラウマである。もう2度と見たくないと思っていたのに、今日あっけなく消えてしまった背に本当に背筋が凍るかと思った。ひどく動揺した。

爆豪だって、敵連合に拐われた事があるからこそ、梓が消えたときに最悪の事態が頭をよぎった筈。


「こっちの気も知らずに呑気にアイス食いやがって…」


チッと舌打ちした爆豪に轟が珍しく大きく頷く。緑谷も苦笑しながら同調していれば、「よォ、動揺してたな君ら」と九条にポンと肩を叩かれた。


「九条さん…そりゃ、動揺もしますよ。逆になんで九条さんは冷静なんですか」

「いや、結構焦ったぜ」


嘘だ。飄々としている彼に緑谷はムッとした。
梓がいなくなってどうしようと不安で3人互いに目を合わせる中、身内である九条達はあまり動揺していなかったのだ。

“なんですか?テレポート!?”
“西京と姫様が転送された模様です。よりにもよって西京とは…僕の方が”
“2人で行ったんならとりあえず護衛対象は守り切れんだろ。救援要請に備えるぞ”

梓の心配なんて二の次だった。
護衛対象しか考えてない九条に恨みがましい視線を送っていれば、「そんな目で見るなよ」と笑われる。


「だって、九条さん、もう少し梓ちゃんの事を心配したって、」

「側近の俺に何の心配ができるよ?もう俺よりお嬢の方が強ェんだし」

「そうですけど…」

「それに、当主の命は守ることの二の次だしな」


キッパリとそう言われ思わず緑谷がムッとする中、アイスを食べ終えた梓が小走りで戻ってきた。


『九条さん、西京と話したいことがある。ついてきて』

「西京と?なんでまた」

『ホークスさんのことで、西京の考察の続きを聞きたいんだ。でも2人きりになったら九条さん、怒るでしょう?だから、』


よりにもよって1番信用できない家柄の西京か、どうしたものかと九条は一緒顔をしかめるが、彼女は一度決めたら頑固でテコでも動かないことを思い出し、ため息混じりに頷いた。


「水澄とハルトが気付く前にパッと終わらせられるか」

『え、なんで2人に気づかれちゃいけないの?』

「お前が一番忠誠心の低い西京を贔屓してるってうるさそうだから」


そう言ってさっさと事務所の会議室一つ借りた九条に梓はそこまで気にしなくてもいいと思うけど、とぼやきつつ後に続くのだった。






「で、西京。うちの御当主サマがお前にご執心のようだが、さっき2人になった時になんかあったのか」


ぎろりと牽制するように睨まれ西京は(すごく疑われている…)と顔を引きつらせた。


『九条さん、なんでそんな顔するの』

「だって。お嬢が名指しで西京を指名するなんて思わなくてな」

『さっきの話を詳しく聞きたかったんだよ。ねぇ、西京、なんで西京は、ホークスさんが声をかけてくることはないと思ったの?』

「……貴女と親密なことが敵方にバレると、ホークス殿は動きにくくなるでしょうから」

「なんだ、そんなことか?恐らくホークスは敵方への潜入を余儀なくされてる。それは、昨日の話し合いでの結論だろ?加えて、ヒーロー側に敵連合のスパイがいる可能性があるということもな」


西京に聞かずとも俺に聞けばいいだろ、とでも言いたげな目をする九条に、居心地悪そうにしつつも西京もうなずく。


「そうですね。エンデヴァーの監視下なら親密さを出さないようにしつつも会話程度は出来たかもしれませんが、先程の状況は難しいでしょう。誰の目も届かないところで、俺と貴女と、気を失った少女しかいないのですよ?敵連合は、俺を殺し少女を捨て置き貴女を攫え、とホークスに命じるはずです」

『ひっ』

「そういうことだ。ホークス側もきっと不要な接触は避けたいだろうよ」

『そっかぁ…』


お話ししたかったんだけどなぁ、少しのお喋りも許されないなんて、と不満そうにぷくっと頬を膨らました梓だったが、
ふと、気づいたようにパッと顔を上げ、西京と九条を見上げた。


『え、待って…え?私、もしかして、ホークスさんに守られてる?』

「は?ま、そだな」「そうなりますね」

『あの人は、四面楚歌の中、守護のため、身一つで、頑張っているかもしれないのに…?そんな人に、守られてるの?』

「「おう(はい)」」


わかっていた。わかっていたはずだったが、やっと理解した。

自分が狙われているせいで、ホークスに余計な気を使わせて、守られている。
彼は大義のために身を粉にしているというのに、それに加えて考えなくてもよい自分のためにも、動いてくれている。

あの時の言葉が思い出される。



“自分の命をコマの1つとしか思っちゃいない、大義のためなら何でもする。そんな危うい女の子をみすみす敵連合に渡すわけにはいかんでしょ”

“確かに、俺は君の言う通り、連合の巨悪を最悪ベースで推し量って、最善の手をとるためには犠牲も必要だと思った。ただ、それは君じゃない”


危ういから。自分を囮として使う心の余裕はない。

あの時、彼はそう言い切った。



(私が未熟だから、守護のために尽力するあの人に余計な気を使わせて、守ってもらってるんだ…)



情けなくて唇を噛むと、強すぎたのか少し血の味がした。


『………。』

「心中察するが、これが現状だ。情報がなくホークス単独で動いている以上、俺にも、お嬢にもこの状況を変える術はない」

『……うん、』

「ただ、あいつに守られるしかない。あいつが、情報を掴み加勢を求めるまで、俺たちは情けないことに守られる他術はない」

『…スパイって、しんどいよね?』


流石に落ち込むよな、でも慰める言葉も見つからない、と九条が思っていたらそんなことを聞かれ、思わず「は?」と声が漏れた。
聞き間違いじゃなく、もう一度同じように問いかけられ、いきなりなんの質問だと思いつつ「そりゃあな」と肯定すれば、次の質問が来る。


『九条さんはしたことある?』

「……変装して潜入したこたァあるが、スパイっていわれるとどうかね。長期的な潜入はしたことねェしな。そもそも、うちの一族にスパイは向かねェのよ」

『え、なんで?』

「スパイは、情報持ち帰んのが本分だ。スパイ行為中の被害は見逃さなきゃならん時もあるし、己の信念を曲げた発言を繰り返し、敵に取り入り媚を売らなきゃならん。そんな器用なことできんだろ?それに、味方とは疎遠になる。孤独中の孤独だよ」

『…そうなの?』

「何故俺に聞くのですか。九条殿にお聞きになった方がよろしいかと」

『西京の意見も聞きたい』

「……九条さんの言う通りなのではないですか。真っ暗闇にあるぽつんとした光を頼りに動くようなものですから。孤独ですし、それに、相当なプレッシャーでしょう。幾人の命が掛かっていますからね」


2人にホークスの状況を説明され、梓はしばらくの間黙り込んだ。


『………。』

「…お嬢?」


呼び掛ければ、ゆっくりと彼女の目が九条を射抜く。
先ほどまでの揺れた瞳ではなかった。
自分の不甲斐なさも、情けない気持ちも全部押し込めて、何かを決意したような色をしていて、


『昨日、香雪が言っていたよね。ホークスさんは、私に強くなって欲しいと思ってるって、強くなる場を用意するためにインターンに参加できるようにしたって』

「……ああ」

『守られたまま待つしかないなら、その間にお望みどおり強くなってやることにする』

「そうだな、それでこそお嬢だ」

『けど、その前に、ホークスさんに伝えたいことがある』


しっかり自分の状況を理解し、その上で守護のために前を向く。
そんな梓に、成長したなァと九条は満足げに頷いたが、まだ彼女の話は終わっていなかったようで、そんなことを言い始めたものだから本日何度目かわからない「は?」が部屋に響いた。


「伝えたいことォ?」

『うん…、伝えたい。みんなの為に、あの人は1人で暗闇の中にいるんでしょ?ぽつんとした光を頼りに、1人で、連合の中で動いてるんでしょ?』

「……」

『私は、守護に尽力するあの人を守りたいよ。今は何もできないけど、いつかその時が来たら、暗いところから引っ張り上げて照らして、今まで守ってくれてありがとうって言いたい』

「お嬢……」

『でも、今はそれができないから、あの人が背負うものが少しでも少なくなるように、こっちがあの人の意図に気付いてることを知らせたい。その上で、“私、悪い奴には絶対負けない”って、“強くなるので、一緒にやっつけよう”って、伝えたい!』


何かを背負うことがどれだけ大変か。
きっと梓の比ではない、重圧の中ホークスは任務を遂行している。

今の自分にできることは何もないけれど、
少しでもその重圧を減らす為、せめてあの人が抱えている心配事のひとつくらいは減らしたい。

こちらがホークスの状況や意図に気付いていることを、彼自身が知ることで、きっとずいぶん楽になると思うのだ。
根回しをしなくてもそのつもりで動くから、大丈夫。こちらのことは気にしないで。
邪魔はしないし、悪い奴には絶対に負けない。
ホークスの足手まといになるような状況は生み出さない。

だから、少しの間1人で頑張って。
そして、時が来たら、一緒に敵を倒そうと。


どうしても、彼に伝えたい。


「……伝えるったって…」


ストレートな気持ちを梓に思い切りぶつけられ、九条は困り果てた。
気持ちはわかる。言いたいこともわかる。
そして彼女がこの目をしている時は一歩も引かない時だ。経験上わかる。
ただ、現実的に考えてホークスとの接触が厳しい中でどうやって伝えればいいのやら。
困り眉で頭を掻いていれば、横から「承りました」と静かな声が聞こえた。


「は?西京?」

「…。」

「なに勝手に承ってんだ。無理に決まって、」

「…、方法が無いわけではありません」

「はァ??」


まさか彼が梓に賛同するとは思わず首を傾げる。
そんな九条を無視して西京は梓の前にゆっくりと傅くと、


「この国に古来より伝わる暗号術は数多ございます。耳聡く、諜報に優れたホークスならば、其の内のいくつかは存じ上げておいででしょう」

『暗号…、』

「ええ、そうです。手紙は渡せませんから、暗号の種類は限られますが、いくつか使えそうな暗号に心当たりがあります。俺に任せていただいても?」

『…え、いいの?私、暗号わかんないから、西京がやってくれるならありがたい』

「ちょっと待ってお嬢、暗号だったら俺か泉さんが」


トントン拍子に進む話に九条は思わず割り込んだ。
正直まだ西京は信用していない。
バレたらアウトのこの状況でこんな大役を任せるわけにはいかないのだ。

俺がやるから引っ込んでいろ、と少し強めに睨んだのが、西京から帰ってきた言葉は予想外だった。


「九条殿…俺の暗号を見抜いたことないでしょう」

「はい???」

『あっそっか、西京は暗号が得意なのか』

「得意というわけでは…。ただ、貴女を守るために、必要だったのです。本家に情報を渡すことが、俺が出来る唯一の守護でしたから」

「はい!?!?どういうこと!?」


目を白黒させた九条にお嬢説明!!と怒鳴られ、梓は慌てて西京の身の上話とダブルスパイについて話すのだった。


(ごっごめん、かくかくしかじかで〜…西京は西の分家のダブルスパイのようなものだから、)

(そういう事です。九条殿にはいずれ見抜かれると思っていました。ですが、仕事がしにくくなりますので他の側近に他言なき様)

(嘘だろ!?いや、騙されてるんじゃ…いや待て待てたしかにそうなると、今までの謎の情報源について辻褄が合うし、ハヤテさんがなんかそんなこと言ってた様な…)

_165/261
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