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One's Dearest Blue


斎藤の両腕に包まれ小さな寝息を立てるなまえの肩は微かに、だが規則正しく上下している。程よくエアコンの効いた温かい寝室で、眠る彼女の背から華奢な肩にかけて斎藤の手が触れ、反対の手は細い胴を撫で滑らせていく。
毎夜腕に抱くたおやかな身体の何処にも傷痕はない。刀で斬られた痕も被弾した腹部もまるで全てが夢であったかのように、白い肌はすべらかな絹の手触りである。
肌に唇の滑る感覚になまえが身動ぎをした。しかし深い眠りの中に居る彼女の閉じた瞼は開かれなかった。
かつて彼女の髪を飾った美しい青硝子はもう手元にはない。恋慕の情をなまえへと伝えた其れは、後に斎藤にとって禍々しいものへとその性質を変えた。あれは今もあの峠の地中深くに埋まっているのだろうか。
斎藤の整った眉が寄せられ濃藍の瞳が僅かに歪む。
肩より長い豊かな黒髪を左手で束ねる様にして、首筋に口づけながら毛房を彼女の後頭の高いところで纏め押さえると、喉から小さな声を漏らした。

「ん……はじめ、さん……、」
「すまない、起こしたか」
「もう……朝?」
「いや、まだ朝には間がある」

身体ごと此方に向かせれば長い睫毛はすぐにまた伏せられ、安心し切った仔猫のように摺り寄せられる頬は温かく、合わせた胸からは確かな命のリズムが刻まれる。
あの頃には考えられもしなかった幸福を手にしている。想いは時を超え、愛おしいなまえは常に傍に居る。斎藤はなまえの鼓動を感じながら、確かめるように抱き締めた。
斜陽は誰の目にも明らかだった。軍資金と武器を与えられ甲州へと向かった甲陽鎮撫隊に幕府は何を求めたのだろうか。江戸城無血開城を企図した勝海舟が新選組を江戸から切り離す為、現代の史家は概ねそう解釈している。

その所為で俺達は。
なまえは。

甲州街道を通過する武士が武運を祈ったと言う矢立の杉を超え、笹子隧道の直上、街道最大の難所と言われた笹子峠で、なまえはその命を落とした。なまえの手を強く引き、傾斜がきつく道幅も狭まった木々の間を抜けながら走ったことを、今も鮮明に憶えている。埃塗れの洋装の自分、血に濡れたなまえを緋色ごと抱き締めた。
あの日、直接の引金となって彼女を凶弾へと向かわせたのは青いギヤマンの簪だ。転生してもなお残る記憶は斎藤を苛み続けた。
苦悩する彼を何度も強く抱き締めたのはなまえだ。
現代に戻って正式に婚姻を結び、社会的にも夫婦として認知された。つつがなく二人の幸福な暮らしは日々紡がれていく。
完全に忘れ去る事はきっとない。しかし新選組の隊士として時代を駆け抜け生きた日々が、心に上る回数はかなり減ってきていた、それも事実だった。
何故今宵は思い出したのだろう。
「はじめさん」と彼の名を繰り返し呼ぶ、心を浄化する声はいつも腕の中にある。
もしもまた離れることがあったとしても、いつであろうとどこであろうと、必ず再び引き合い出会うのだ。

何故なら俺達は二人で一つだからだ。離れても、何度でも輪廻転生を繰り返し、たった一つのかけがえのない約束をなまえと共に守り続ける。

それは少しの矛盾を含みながらも、斎藤の中では確信に近いものとなっていた。
再び掬い取った細い絹糸がさらさらと指の間から零れ落ちる。なまえが腕の中で気だるげに、眠たげな瞳で見上げた。二つの琥珀の中に映る自分を確かめ、小さく笑んで見せて「もう少し、眠れ」と耳元に囁きかけ、華奢な身体を抱き締め直し滑らかな髪に顔を埋めた。





寒暖を繰り返しながら季節は春へとゆっくり進んでいた。
斎藤の好きな湯豆腐の鍋を二人でつつき、夫の為につけた銚子の熱燗を珍しくなまえも口にして、他愛のないことを語らいながら食事を終えた穏やかな夕のこと。
共に食器をシンクに運んでいたところへその電話が鳴った。
受けたのは斎藤で、それはなまえの母からだった。受話器を渡し見るともなく彼女を見つめていれば、近況を伝え合う様子から徐々にその笑顔が曇り始め、言葉数が減っていくのに彼女の逡巡が見て取れた。気になった斎藤は通話を終えたなまえに問いかける。

「お義母さんは何を?」
「明日ね、家に来て欲しいって」
「急用か?」
「それほどでもないけれど。私、行ってきますね」

実家は在来線でも三駅程の近距離である。
大した用事ではないし直ぐに済むから独りでと言えば、午後から別件で出かける予定のあった斎藤が「いずれにせよ外出するのだから、朝ならば共に行く」と言い、なまえには強く拒否する理由が思いつかなかった。
翌朝は比較的早い時間から、揃ってみょうじの家を訪れることとなった。
幾分温かい陽気と雲一つない青く晴れた空が近づく春を教える。小ぢんまりとした庭で桜の若木の蕾が膨らみ始めていた。
なまえの実家は現代風の瀟洒な建物で、静かな住宅街の一画にある。なまえは勿論、交際期間の長かった斎藤にとっても見慣れた佇まいだった。
呼ばれたのは、親戚にこの春大学を卒業する娘がおり、卒業式に着る着物を貸して欲しいという件で、先方の所望の品はなまえの成人式に誂えた振袖である。
昏睡から醒めて以来、幾度もあの敗走の記憶に苦悩する姿を見てきたなまえには、斎藤を伴う事に少なからず躊躇いがあった。時間を掛け再生してきた彼の心を乱したくなかったのだ。母を初め周りの誰も二人の奇異な体験を知らず、それは二人の胸にだけ仕舞われていた。

「わざわざ悪かったわね。なまえに黙って勝手に貸してしまうのもどうかと思ったの。ほら懐かしいでしょう、見て」

そう言って笑う母親が二人を和室へと誘い、昨日のうちから衣桁に掛けておいた正絹の振袖を示す。なまえの傍らで斎藤は目を瞠り、仄かに白檀の香る絹を見つめた。
畳敷きの和室でも此処は現代家屋であり、あの寺の殺風景な居室や不動堂村の部屋と趣が違うのは当たり前のことだ。しかし目の前に広がる艶やかな絹が、西本願寺で桜の下に倒れていた彼女が纏っていたもの、そして不動堂村の屯所の二人きりで祝言を挙げた部屋で見た着物と、全く別のものであることに驚きを隠せなかった。
それは鮮やかな緋色ではなく、白練に濃い今様、流水に百花繚乱の市松取りなのだった。

「一さんも成人式の時に見たきりよね。お見合いの前日だったわ。運命だったのかしら。今でも感謝してるのよ。一さんの意識が戻って本当によかった。もうあれから二年になるのね」

母が涙ぐみながら想い出し、しみじみと語る言葉は過去の断片を拾い、遠くを見るようなその表情には偽りの欠片もない。拭えない違和感が更に強まる。
斎藤となまえの挙式前に両親が、正確には母親がであるが、二人の新居にと桐の箪笥を一棹用意したのに他意はなかった。ただ単に彼女が着物を趣味として好んでいた為、娘の花嫁道具の一つとしたのだった。マンションの和室に鎮座する箪笥の中身は、黒留袖はなく母の見立ての留袖と訪問着が一枚ずつ、小物類も揃って収まっている。
今日はもう一枚持って行きなさいね、と母が広げて見せた畳紙の中から現れたのは、秋草文様の美しい青い縮緬の着物であった。
息を飲み思わず口元を手で覆った斎藤は、気遣うなまえのそっと触れられた手に、直ぐに我に返り逸らしかけた目を上げる。

「はじめさん……、」
「……大丈夫だ」
「これ、アンティークよ。江戸後期のものらしくてね、このお納戸色とっても綺麗でしょう。少し大人っぽいけれどなまえは青色が好きだし、似合うと思うの。お母さん、思い切っちゃった」
「何処で見つけて来るのか、母さんの趣味は金がかかって困るね」

不意にからりと襖が開き背後からかかる声に、未だ動揺していた斎藤の肩が僅か跳ねる。
長々と和室で繰り返される母の長い講釈を、覗きに来た父親が半ば呆れたような笑顔を見せ遮った。この後まだ行くところがあると予め伝えていた為、終わりそうもないお喋りを見かねた父の助け舟だった。
もっとゆっくりして行ったらいいのに、と引き留めたげな母親に所用を告げ、実家を辞したのは嘘ではない。斎藤の横顔をそっと窺い見上げれば、彼の表情は平静に戻っていた。

「なまえは知っていたか? 着物の色柄が違うことを」
「見たのはさっきが初めて。でも私が事故に遭った事実がなくて、それ以前にお見合いの日自体が母達の中ではなかったことになっているんです。振袖の話の時、少しおかしいと思ったんだけど」
「そうか」

歪みは今も続いているのだろうか。記憶の中の事実と現実が明らかにずれている。
緋色の着物は何処へいったのか。そして思いがけなくも再び出会った納戸縮緬は確か、近藤局長の妻つねの持ち物であった筈だ。
時間軸における原因と結果の結びつきそれが因果の定義とされ、全ての事象には因果が存在するという考え方が因果律である。しかし因果律が全て実際に自然界で働いているかについては物理学上でも、未だ否定も肯定も決定的にはされてはおらず、成り立つ事象とは厳密に言えば仮説である。仮定した考察があっても自然現象とずれを生じれば間違いとして破棄される、それが物理学である。
幕末に居ては考えもしなかったが、現代に戻って知り得た知識が斎藤にはある。真実を知りたいと言うよりも、何処かで自分自身を納得させ得る、解りやすい答えを彼は欲しかった。
暫く前から時々顔を出し懇意にし始めた神田の古書店から、探し求めていたものに近い書物が手に入ったとの連絡を受けたのも昨日のことだ。それは江戸切絵図と甲州街道の古い地図であった。





神田神保町の古書店が幾つも軒を並べる一隅に、古色蒼然としたその店はあった。
前髪をさらりと分け、肩に触れる程の長さの髪に縁なしの眼鏡をかけた彼は、日課の如く先ず漆器類に風を通す。薄暗い店の奥に引っ込むとこれもいつものように、上絵付の皿や薄茶器、安南焼などを丁寧に磨いた。
次に時代家具を、そして一見我楽多に見えなくもない方位磁石や印籠風の小物入れ、鉄瓶などに一通り手入れを施してから、寛永通宝を硫黄剤で磨きだした。
壁に掛けた古時計が予定の時刻を刻み、ボーンと懐古的な音を立てるのに目を上げる。

「おや、もうこんな時間ですか」

眼鏡のブリッジに細い指先を当て、立ち上がった。鑑札は胸ポケットに収まっており、既に出かける支度は済んでいる。
アンティークの品をわざわざ店頭に持ち込んでくる客は少なく、仕入れた骨董類はほとんど出張鑑定によるものだ。価値があると解れば持ち主から譲り受けることはなかなかに難しく、出張旅費に僅か上乗せした鑑定料が彼の主な収入源であった。それでも古美術商を止める気にはならない。一つずつ目を通し大切に集めて来た品々は彼の宝でもある。
膝丈のチャコールグレイのトレンチコートを羽織り、小さな鞄を提げた彼は表の戸に鍵を掛けて一度空を仰ぐ。目に染みるような青空が広がっていた。

「東京の空が綺麗に見えることもあるのですね。あの頃と変わらず」

誰にともなく笑んで呟く。ここはかつて、遥か遠い昔に彼が小野派一刀流を学んだ大久保道場から然程離れてはおらず、後に身を預けた試衛館よりも近い。神田駅に足を向けようと歩きだせば、真向いの古書店から老人が顔を出し、ゆっくりとした声がかかった。

「おはよう。また遠出かい? 今日は何処かね」
「おはようございます。山梨ですよ。長く待ち望んでいた出物がありましてね」
「金に糸目つけず何処でも行くのは、骨董屋の性だね。儂も同じだがね」
「いいえ、私のはただの道楽ですよ。すみませんが、留守をお願いします」
「ああ、気を付けて行っといで」

再び足を進めた彼が神田駅の改札を抜け構内へと進んだまさにその時、逆向きに改札を出た斎藤が足を留め咄嗟に振り返る。
さらりとした肩までの髪、眼鏡をかけたその人は鋭利な輪郭、その面差しに見覚えがある。羽織ったコートの裾を靡かせ真横を通り抜けた彼は直ぐに人波に紛れたが、覚えがあるどころではない、かつて斎藤がよく知っていた人物のように見えた。

「山南さん」
「……さんなん、さん?」

斎藤の呟きを同じように唇に載せ首を傾げるなまえに「いや、見間違いかも知れぬ、が」と返しながら、次々に改札を抜けて出て来る人々が迷惑気に見るのも気づかず、斎藤は今出て来たばかりの改札の中をまだ見つめていた。
その姿を二度と捉えることは出来なかった。
やはり見間違いだったのだろうと思い直す。あの人が此処に居る筈が……。
なまえは直接に彼に会ったことは無い。彼女が屯所に現れた時には、新選組は切腹により総長山南敬助を失っていた。





青いギヤマンの簪の記憶は、なまえを失う事をのみ恐れた斎藤を酷く苦しめた。だが彼女にとっての其れは、全く違ったものだった。あの簪こそが彼へと自身を繋ぐ唯一つの道標であると信じて疑わなかった。それは今も変わらない。
桐箪笥から着物の小道具を一通り出して床に広げ、母から教わった手順で肌着を着け、長襦袢の衣紋を抜く姿は艶めかしかった。
なまえが腰紐と伊達締めを締めていく。傍で斎藤はその様を黙って見つめていた。
秋草文様の納戸縮緬に袖を通し、器用に帯を貝の口に結び終わり、正座をした斎藤に近づき腰を屈める。結い上げた髪の左耳の上あたりに、彼女に請われた彼の手が透明な青色の簪をゆっくりと挿し入れた。
島原で見た姿を彷彿とさせる美しさであるが、斎藤の心は複雑な思いを過らせて揺れる。
和室の照明を受けて透明に輝く簪は、神田の古書店で用を済ませた斎藤と歩きながら、近くにあった雑貨屋を覗いたなまえが見つけたものだった。

「これ、あの簪に似てる」
「……ああ、」

平たい円形の飾りはスワロフスキーで、深く濃い透明な青色はあの日なまえの胸元から消えたギヤマン簪と酷似していた。ガラスケースの上に幾つか並んだそれらは然程高価なものではない。
なまえの腕を引き「止めておこう」と言うのに、いつになく斎藤のいう事を聞かない彼女は、その品から眼を離せずに見つめ続ける。これまでに彼女の方から何かを欲しいと強請られたことは一度もなかった。

「これが欲しいのか?」
「欲しいです」
「どうしても、か?」
「はい。はじめさん、もう一度私に贈ってください」

澄んだ瞳には一切の迷いはなく、愛しさだけを伝えた。根負けをしてその品を買い求め自宅に戻れば、なまえは納戸縮緬を着たいと言い出したのだ。
着付けを終わったなまえが彼の前で恥ずかしげに一度くるりと回って見せ、右に顔を傾げれば左耳の後ろの少し上辺りの青に、斎藤の瞳が眩しげに細められる。

「どうですか、はじめさん?」
「ああ」
「ああ、じゃ解りません。似合いますか?」

柔らかな声に反したなまえの強い瞳が、斎藤の深藍の瞳の奥まで覗き込むように、真っ直ぐに見つめ彼の胸に手を伸ばした。

「……俺の贈った簪が、なまえを死なせたことには変わりない」
「違います、はじめさん」
「何が違う?」
「あれは必然です。私達はあの時代の何処かで生を絶たなければ、こうして此処に戻ることは出来なかった。本物はもうこの手にはないけれど、でもいつか出会いたい。私にとっては今も宝物です」
「何一つ間違ってはいなかったと?」
「そうです。私をあなたへと導いてくれたのは、いつだってあの青いギヤマンの簪だから。はじめさんが御陵衛士に行っていた時も。はじめさんの瞳の色と同じ青い簪が、私を護ってくれた……」
「なまえ」

斎藤も無口だがなまえがこれほどに饒舌なのも珍しい。立ち上がり伸ばされた手を取って、肩にもう一方の手を添えれば、ふと気づいたようになまえは照れて俯き、あまりの愛らしさに思わず引き寄せ腕の中に閉じ込めた。

「すみません、なんだか私ったら……、」
「いや、お前はやはり強い。俺もそろそろ、恐れるのを止めねばならぬな」
「はじめさんは元々強いですよ」
「なまえ、もっと俺の名を呼んでくれぬか」
「はじめさん?」
「……もっとだ。その声が、俺にいつでも強さを与えてくれた」
「はじめさん、愛しています。私はあなたから決して離れません」

小さな小さな声で告げられる己の名と心を震わせる真摯な言葉に、斎藤が初めて微笑む。心を浄化するなまえの声はいつも、いつまでもこうして腕の中にある。もしもまた離れることがあったとしても、必ずまた出会う事が出来る。

俺は思い違いをしていたのかも知れぬ。

なまえに贈った簪に引き裂かれたのだと長いこと思っていた。だが常にあの青色が自分達を導いたとなまえは言った。
互いが唯一無二の存在。
たった一人と誓った愛おしい人は此処に今も、そして未来永劫共に在る。彼女と自分を繋ぐのはかけがえのないこの青色なのだと、今初めて確信をもって信じることが出来る気がした。信じる強さをもなまえの愛情が教えてくれる。
なまえの艶やかな髪を飾るスワロフスキーが光を纏い青色に輝いた。

「着物も簪も、お前によく似合っている。綺麗だ」

琥珀の濡れた瞳を見つめれば、見つめ返す瞳の中に自分が映っている。憂いは氷解していき、溶けだした滴は甘やかに胸を満たしていった。
青い着物に包まれた愛する妻の身体をあの時と同じように胸に抱き、細い顎を上向かせ口づけた。
過去も未来も全てを乗り越えていく。永遠を二人で生きる為に。

「なまえを愛している。ずっと」





清潔に保たれた陳列棚の一隅に大切に展示された其れは、百五十年程の時を経ても美しく透明で、蛍光灯の仄暗い灯りを受け青い光を湛えていた。頬にはらりとかかる髪を左の耳にかけ、口端を僅か持ち上げて満足げに眺める。

「再び彼らの手に渡る日は、いつでしょう。案外近いのかもしれませんね」

平たく丸い青硝子を清潔な布で磨きながら独り言ち、山南は眼鏡の奥の目を緩ませた。






2014/03/12


▼葡萄様

この度は20万打企画にご参加いただきましてありがとうございました!
大変大変長らくお待たせしました!いや、難産でしたァァー!書きたいシチュエーションはすごくあって滾っていたのです。しかしその割に心に浮かんだ全てを表現し得たかどうかが物凄く怪しいです。すごく怪しい仕上がりです。このお話には、オチが…ないですね…(´;ω;`)
葡萄ちゃんに頂きましたリクエスト内容は『青〜の番外編で、あの日なくしたギヤマンの簪をもう一度ヒロインに贈るはじめさんが読みたい』と言う物でした。甲州街道の山中から発掘する手立てが思いつかず、酷似したスワロフスキーの青い簪を、二人を繋ぐ新たなモチーフとして登場させてしまいましたが、いかがでしょうか。タイトルと矛盾していると今気づいたりして(´∵`)
因果律の定義も非常に難しく、難しいばかりに(話の運びに都合よく)適当解釈してしまいましたが、葡萄ちゃんを初め物理にお詳しい方がいらしたらツッコミは無しの方向で!!(←このフレーズもそろそろお約束)
青〜を書いてから時間が経っていたこともあり、脳内メモリの少ない私は細かいところをほとんど綺麗さっぱり忘れていまして、本編や番外編を読み直すのがすごくめんど…いえ、難儀でした。や、初期に書いたものを読み返すのは羞恥プレイです(;∀;)
今回の目玉としましては山南さんの登場です。このお話に関しては脇を固める人として古美術商の旦那を不可欠としていたのですが、その役は山南さんしか思いつきませんでした。ここのところ密かに山南さんを気に入っておりますので、もう少し字数を割きたかったのですが、例の如く軸が悲しい程ズレていったのでやむなく削りました。
というわけで葡萄ちゃん、相変わらずの残念なクオリティですがお納めくださいますと幸いです(´;д;`)そしてお直しご希望も承ります。
転生してからの斎藤さんが若干ヘタレ気味なのが気になりますがでも久ぶりに青〜のカップル楽しかったです。この度は滾るリクエストをありがとうございました( *´艸`)

aoi




MATERIAL: SUBTLE PATTERNS / egg*station

AZURE