朱嘆の華しゅたんのはな 永遠の恋とわのこい朱嘆の華 第一章2
何が起きても、あたしはもう 驚かないだろう。
それ程 ありえない所なのだから、ここは。
そう確信して、岩肌の凹凸に躓きながらも、ひたすら歩いた。
それでももう、限界を超えていた。
視界が霞んで、身体中が動かなくなって、とうとうその場に倒れ伏す。
『(もう…、何でもいいや……。
どうせあたしは…ここで死ぬんでしょ……
結局あたしは、どんな所であろうと……居場所なんか、一つもなかった………。)』
意識が朦朧として、重い瞼をゆっくりと閉じた時だった。
「ーー、ーーー?! …ーーーーー!!」
「ーー?!!」 「ー、ーーー。」
人々の会話が聞こえる。
───あれ、おかしいな…。
言葉がよく、わからない……
やっぱり、異界に来たんだ…
それともあたしが、もう死ぬからかな……
フッ、と 身体が軽くなった気がした。
誰かの暖かい体温を感じる。
───助かったの…?
最後に思ったのは、それだけ。
本当に限界だったから…
あたしはその時、ストンと意識を落としてしまったのだ。