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  07


連れられた修兵の部屋で、私は修兵を仰ぎ見て居た。

阿近さんとの遣り取りを聴いて居た筈なのに、組み敷いて私を囚える修兵は自重で私を抑え込む。絶対に逃す気は無いんだと言うように込められる力が、私には余計に辛かった。


「ごめんね、修兵」

「っ……」


幾ら命令だったとは言え、やっぱり私はこんな事を引き受けるべきじゃなかった。


「もっと早く、違うんだって言ってあげるべきだった」


無いものは無い。

其の方がずっと優しい……。


「私はもう、檜佐木副隊長の彼女じゃ有りません」


そう告げて、瞠目する修兵に、もう一度「申し訳有りません」と口にして目を伏せた。


「苦言は総隊長他、各隊長にお願いします。と言いたい所ですが……」

「敬語止めろ」

「……もう、馴れ馴れしく会話して良い関係では、無いので……」

「止めろっつってんだろっ!!!」

「…………っ」


バンッ と弾け飛んだ霊圧が、まるで責めるようにビリビリを肌を刺す。


「お前はもう、好き……じゃねぇのかよ……」


離すまいとする修兵の腕の中、キツくキツく抱き締められて息が苦しかった。

好きなんだと、何度も繰り返しては私を掻き抱く修兵が、どうして……と茫然と呟く。

其れでも、私には此れ以上どうしてあげる事も出来なくて……


「大丈夫だよ……」

「大丈夫な訳、無ぇだろっ!」


募る修兵を抱き締めるだけ。


でも、大丈夫だから……。


「此れから修兵はちゃん思い出す……」


私達は終わっているんだと。

修兵の中に、私はもう居ないんだと……。


「…………ねぇよ」

「え……?」

「そんなの、知らねぇって言ったんだよ」

「修兵っ?っ、ぃ、や……、…………っ」



ずっと――…



「――…、っ……」



抑えてくれていたはずの劣情を、修兵が私に叩き込む。



「―――…っっ」







其の熱だけを残して、君はまた消えて行くのに……。



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