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 15


近いからこそ気付けない。
見えなくなる事も在る……。


だから、『話せ』と言われたってそんな簡単なモノじゃない。




我に返って逃げ出そうともがいても、そんなバタバタと腕の中で暴れる私なんて物ともせずに、結局荷物のように修兵の元へと運ばれた。


「待っ……」

「じゃあな、紗也……」


明日な、と阿散井副隊長が背を向けた瞬間、伸びて来た腕に乱暴に捕らわれて瞬歩で修兵の部屋に連れられて居た。

そうして、


「やっ、何……っ」


抱えられたまま連れて行かれたのは浴室で、死覇装を紐解く間も惜しむように、捻らせた蛇口から注ぐ水に濡らされて行く。

水気を含んで貼り付く死覇装を乱暴に脱がせながら躯を辿られる。


「修っ……」


何かを反論しようとすれば、其れは直ぐに熱い口唇で塞がれた。


口唇を放して、覗き込むように合わされる視線が居心地が悪い。

纏わり付く死覇装が気持ち悪い。

死覇装の中へと流れ込む水の、躯を準るような感触に躯を捩った。


修兵だってもうずぶ濡れで、濡れた髪から伝う水が線を幾重にも作っている。


「………ふ、ぅ…っ」


躯を打ち続ける水の冷たさに震えが走って、胸の尖りが痛いくらいに勃ち上がったのを覚えた瞬間、修兵の動きが止まったのが判った。


「っあ、」


と同時に生温い感触に含まれて、強い刺激に嬌声が洩れていた。


「ぃや、……だ…っ』


狭い空間に反響する自分の声が羞恥を煽る。

厭だと身を捩っても、頭を押し返そうとしても離される事は無く、執拗に這わされる口唇と掌に感覚が麻痺して行くようだった。


「どう、して……」


私達は……


まだ、厭だ、と、溢れ出る涙は頬を伝って滴と一緒に流れて落ちる。


「悪ぃ……」

「っ……」


でも無理だ、そう溢しては悲痛な顔を晒す修兵に息を呑む。


「此れ以上は絶対にシねぇから、此れ消させて」


然して、云うが早いか、スルッと準った私の首筋に咬み痕を残した。






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