「ある意味優しさ」









ク「だーかーらー!!勝手に俺のデータを書き換えるなといつも言ってるだろ!!」


遊「お前のデータの所有権は俺にある!俺がどう使おうと、俺の勝手だ!!」














亞「また喧嘩?」


ブ「いつものことだから気にしない」


可「でも、よくもあれだけ言い合ってて飽きないわね」


ブ「あれが一日の挨拶みたいなものなんじゃないかな?」


亞「あんな激しい挨拶は初めてだよ。ほら、ついには手が出た」


ブ「遊星も遊星だよねー…クロウは機械だから、叩いても痛い目みるのは自分なのにね」


可「毎度毎度あのやり取り見てると、本当に仲が良いのか分からなくなっちゃうのよね」


ブ「そうかい?」


亞「人間型携帯って、持ち主に忠実だけど…クロウはあんな感じで反抗的だしね」


ブ「確かに、クロウは口も態度も悪いけど、ちゃんとマスターの事は大切にしてるよ」


可「どうして分かるの?」


ブ「だって、さっきもマスターがクロウを叩いてたけど、クロウが仕返ししてるところ見たことあるかい?」


亞「そういえば……見たことないかも」


ブ「クロウはね、マスターに酷いこと言われても、マスターに手を上げたことは一度もないよ」


可「へぇ…意外かも。クロウって結構、しっかり仕返ししそうなのに」


ブ「ハハ、クロウはマスター以外にならしっかり仕返ししてるよ」


亞「遊星に手を上げないのは、クロウなりの優しさなのかー」


ブ「僕はそうだと思うなー」













ク「あああああ!!このデータまで上書きしてやがる!!」


遊「お前が寝てる間に、データというデータを残らず上書きしてやった」


ク「そのしてやったりっつー顔を止めろ!!腹立つ!!」


遊「別に良いじゃないかデータくらい!!お前に支障はないはずだ!!」


ク「俺が言ってんのは、無断で書き換えをするなってことだよ!!」


遊「書き換えさせてもらったぞ」


ク「おせーよ!!!」














亞「………少しはもう一つの意味で仲良くなればいいのにね」


ブ「……ね」


可「まあ…まだ時間掛かりそうだけど…」




++++++++++++++++++++











遊「はぁ……、今日は一段と声を張り上げたな…」


亞「大丈夫?遊星、声ガラガラだよ?」


遊「腹の底から声を出したからな…、喉が限界だ…」


亞「うん、遊星があんなに声張り上げるのって、滅多にないもんね」


遊「いつもこんなことがあってたまるか…ゲホッ」


亞「本当に大丈夫?」


遊「……あぁ、大丈夫。なんてことない」


ク「……金柑湯淹れたぞ」


遊「……ありがとう」










ブ「今のがデレだよ」


可「微妙に分かりにくいわ」


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