「痛み分け」
『痛み分け』
鬼「あれ?遊星どうした?」
ア「遊星なら保健室よ」
ク「なんかあったのか?!怪我とか…っ」
ア「あー、心配しないで。その…アレよ、アレ」
JA「アレとはなんだ」
ア「だから…アレよ…鈍いわね」
鬼「もしかして女の子の日ってやつ?」
ア「……まさか貴方が普通にその言葉を言うとは思わなかったわ」
ク「お前…保健とか成績良かっただろ」
鬼「なんでそうなるんだ。だってそんなにアレアレ言ってたら、結構絞れてくるだろ。女の子の会話ってそんなものが多いし」
JA「……そうやって恥ずかしげもなく言うからお前はモテないんじゃないのか?」
鬼「ハッ…!そういうこと?!」
ア「まあ、それで当たってるわよ。痛みが激しいみたいで、保健室で寝てるわ」
JA「よく痛いと聞くが…実際はどれほど痛いんだ?」
ア「そうね…腹部にロケランぶち込まれるくらいかしら?」
鬼「悪い、痛みの基準値が分からない。どういう痛みなのか分からない」
ア「……貴方たち男子の急所を、長時間かかとでグリグリ踏まれてる痛みかしら」
鬼「いてぇえええええ!!すっげぇいてぇぇえええ!!」
JA「お前…よくもそんな痛々しいことを…!」
ア「言い出したのは鬼柳じゃないの。分かりやすく例えただけよ」
ク「そんで、痛みってのは休んでれば落ち着くのか?」
ア「そうね…軽い人ならそれで十分だけど、重い人は病院行きになったりするわ」
鬼「マジで?!女の子って本当辛いよな」
ク「俺、様子見行ってくるわ…」
ア「あ、クロウ。行くのなら一つ教えてあげる」
ク「ん?」
――ガラガラ
遊「あれ…クロウ?」
ク「遊星大丈夫か?アキから聞いたぜ」
遊「あぁ…まだ痛みがあってな…起きてられないんだ」
ク「本当に辛そうだな…顔色悪いし」
遊「寧ろクロウが大丈夫か?俺よりも辛い顔してるぞ」
ク「お前が辛そうだから釣られてるんだっての」
遊「俺は大丈夫だ…こうして寝てれば楽だから」
ク「………うーん……」
――さすさす
遊「…クロウ?」
ク「あ、いや、アキがさ…お腹をゆっくり擦ってやると良いって言うからさ…」
遊「……、有難うクロウ。痛みが少し引いた気がする」
ク「効くのか?これ」
遊「あぁ。擦ってくれると、少しは痛みがマシになるんだ」
ク「なら、お前が良くなるまでずっと擦っとく」
遊「授業は?」
ク「いいのいいの。後で採り返せばいいだろ」
遊「フフ…、有難う」
ク「遊星には、辛い思いして欲しくねーからな」
遊「幸せ者だな、俺は」
ク「もっと幸せにしてやるから、覚悟しとけよ」
遊「もう、できてる」
ク「…ばーか」
遊「クロウこそ…ばか」
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