「海水浴」
勇「優兄ちゃんー」
優「……?」
勇「海行きたいー」
優「………」
勇「そこで目逸らすなよー……」
優「……遊星に聞いてごらん」
勇「遊兄ちゃんに?」
勇「遊兄ちゃんー海行きたいー」
遊「海?」
勇「そー!せっかくの夏なんだし、一つ思い出作りとしてさ…海水浴行きたいんだけど…」
遊「いいぞ?」
勇「……え!?」
遊「え?!なんだ、どうした?」
勇「いや、そんな簡単に了承貰えるなんて思わなかった…」
遊「ただ、他に行く人も誘ってみないとな…三人だけじゃつまらないだろ?」
勇「まあ、ホーガン家…もとい、レイヴンさんは確実に行くだろうけど」
遊「こっちもこっちで誘ってみるから、勇星も皆に声を掛けてみてくれ」
勇「あぁ、分かった」
勇「海きたぁー!!」
ル「勇星っ、あの岩場まで競争しようぜ!」
勇「望むところだ!」
優「……日焼け止め塗らないとな……」
レ「あぁ、手伝うわ」
優「悪いな、背中頼む」
キ「この暑い日に何故こんな場所に…」
レ「何故来た根性納豆男が」
キ「どういう意味だそれは」
レ「根性腐ってるから根性納豆男」
キ「……よほど熱帯浜辺に埋まりたいようだな」
レ「焼きそばの鉄板の上で転がしてやろうか?あ゛ぁ?」
優「喧嘩する前に日焼け止めを塗る作業を手伝え」
レ「はい」
キ「………」
JA「海か……久々だな…」
遊「本当だな…日差しが眩しい…」
JA「引き篭もりめ」
ク「遊星、泳ぐ前にしっかり日焼け止め塗ってろよ?」
JA「お前は昔から過保護だな…たかが日差しの一つや二つ…」
ク「紫外線を舐めんじゃねぇぇぇえ!!浴びすぎたら皮膚病にもなるんだぞ!!分かってんのかアホラス!!」
JA「なんだと貴様ァ!!表に出ろ!!」
ク「とっくに表だバカラス!!」
JA「一度ならず二度までも!!」
遊「喧嘩する前に日焼け止め塗るの手伝ってくれ」
ク「よっし、任せろ」
JA「さっさと腕を出せ、腕を」
ハ「……兄弟ね」
エ「血筋は争えないってこのことだな」
ア「……写真とってもバレなきゃ大丈夫よね…」
ハ「アキ、貴女も本当遊星が好きね」
ア「ちょっ!言わないでっ///」
エ「へぇ……」
ア「……そんなに見ないで…魚の餌にするわよ」
エ「恥らうか脅迫するかどっちかに絞れ」
レ「おいおい、お前ら三人何しに海に来たんだよ」
JA「強制的に連れて来られた」
遊「勇星が行きたいって言うから連れて来た」
ク「どっかの誰かさんが駄々こねたから保護者としてきた」
レ「最後に至っては俺のことじゃねぇか。お前ら俺より若いんだから、どんどん泳げよ!」
JA「そう言われてもだな……」
レ「よし、泳いで逃げる俺を捕まえたら、一人三万出してやる」
ク「おし、殺るか」
JA「変態狩りだ」
レ「誰が変態だ誰が!!」
優「俺も…参加したい」
レ「馬鹿!お前から逃げ切れるわけねぇだろ!!」
優「………(シュン」
レ「あー…分かった、だったらお前も逃げろ。捕まんな」
優「……分かった」
遊「兄さんを捕まえればいいんですね?」
勇「め、珍しく遊兄がマジ顔になってる……!!」
ク「いいかお前ら、兄貴を捕まえる時はどんな手を使ってもいい。絶対に逃すな。腕がもげたとしても」
レ「どんなアドバイスだよ」
JA「腕がもげても責任は負わんぞ」
ク「思う存分もいでくれ」
レ「目的変わってるぞお前ら!」
遊「兄さんは、俺が捕まえます」
優「……やってごらん?」
++++++++++++++++++++++++
ハ「どっちが勝つかしら?」
エ「知らん」
ア「遊星っ、頑張って……っ」
ル「兄貴本気で逃げる気だな。クロ兄は本気で沈める気だ」
勇「優兄ちゃんと遊兄ちゃん…どっちが早いんだろう……」
ル「じゃあ、行くぞぉー!よーい……スタート!!」
遊「兄さんッ!止まらないと俺は嫁に行くからな!」
優「!!?(ピタッ」
エ「……止まったぞ」
遊「はい、捕まえました」
優「……嵌められた…」
レ「うぉおおい!!何捕まってんだ!!開始1秒で!!」
優「悪い……」
ク「残るは、あの馬鹿のみ!」
JA「クロウ、あの馬鹿を止める脅しはないのか!」
ク「残念だけどよ…普段から脅しすぎて、ちょっとやそっとの脅しは通用しねぇんだっ」
JA「普段から脅してるって可笑しくないか!?」
ク「だがな……っ一つだけ…一つだけ禁断の呪文があるんだ…」
JA「禁断の呪文だと!?正気か貴様!」
ク「痛い目で見るんじゃねぇ!!これさえ言えば…あいつは確実に止まる!止まるどころか、こっちに来る!」
JA「なら早くそれを言え!!」
ク「こ、これは俺にも相当なダメージがくるんだ……ッ!!」
JA「貴様はどうなってもいいから早く言え!」
ク「どうなってもいいってどういうことだてめぇっ!!」
ル「クロ兄ーっ!早く捕まえないと、どんどん逃げるぞー!兄貴は逃げ足だけは速いんだからっ」
レ「逃げ足だけって余計!!」
遊「クロウ、ジャック!早く捕まえないと、三万が手に入らない!」
勇「遊兄ちゃん、がめついね」
JA「早く言え!!あまり無駄に体力消耗したくないぞ!!」
ク「ぐっ……だが…この呪文だけは……っ」
JA「うだうだ言ってる暇があるか!!みすみす、三万を見逃せとでも言うのか!!」
ク「分かってる…っ、分かってるけどよ……っ!!」
遊「クロウ!早くっ!三万ためだ!」
ア「頑張ってクロウ!」
勇「頑張ってくれ、クロ兄!!」
ル「頑張れクロ兄!!」
JA「さあ……!クロウ!!言え!!」
ク「くっ……ちっくしょーっ……
れ……
レイヴン…お兄ちゃ…ん……っ」
レ「!!!(ピタッ)なんだそれ可愛い!!(ギュッ」
ク「……海に沈んで死にたい……っ」
JA「……すまない、急かして」
遊「ごめん……クロウ…」
ル「クロ兄……っ(ブワッ」
勇「頑張った……頑張ったよクロ兄っ」
ハ「……拍手を送りたいわ」
ア「クロウ……お疲れ様」
キ「気の毒に…(ボソッ」
エ「(兄さんが同情するほどの衝撃!?)」
レ「クロウ、クロウ、もう一回言って」
ク「くたばれ」
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