自分の足で澄み切った青空どこまでも続いているような、いや実際続いているのか。 「天気いーな」 学校の屋上に寝そべり、届きそうにもない空を眺めていれば、自分の存在なんかちっぽけだなんて悟る。 今はもうあの窓には行っていない。 行く必要がなくなったから。 「あーあ…先生に怒られるなぁ…」 他の生徒は教室で真面目にやっていなくても授業には出ているだろう。 毎週金曜日の四時間目は必ずサボる。 意味は、 「平助!」 「おせーぞ!なまえ!」 なまえとの約束だから。 「えへへ、ごめんごめん」 こうしてはにかむ顔を見れるのもあの瞬間、なまえが頑張ったから。 奇跡的に一命を取り留めたのだ。 なまえは平助のおかげだと言うけれど、俺はそんなことないと思う。 「ん?どうしたの?」 「幸せだなって…思ってよ」 「んふふ、私も幸せ」 「なまえ、」「へ、いす、」 なまえがこっちを見たのを良いことに、俺の唇を押しつけてみる。 「ちょ、今、の」 「顔真っ赤」 「いや、だって…」 「かわいーな」 「!!」 ほら、そうやってまた赤くする。 「願い事、叶えてみました」 「…あぁ!あの時の!」 「好きだよ、なまえ」 「私もっ」 これからは同じ目線でさ、外の世界を楽しもうな。 俺がいろんなこと教えてやるからさ。 だから、 「俺の側にいてくれな」 end. |