014月の桜満開の春。 今日から高校生なんだ、と胸を張り校門をくぐる。 とてもワクワクして楽しくて嬉しくてついつい顔が緩む。 「ふふふ…」 にやついた顔でクラス表を見るのだが、ついこの間ここに引越してきたばっかりの私は、友達なんかいるはずもなく。 何故ここに来たのかは、まぁ色々あったわけで。 自分のクラスを確認し、即座に人まみれのその場から立ち去る。 人ってのはやっぱり苦手だな。暑苦しいしね。 あと、この年代となるとみんなが若く見える。歳かなぁ…?同い年なんだけど。 教室の一番後ろの窓側というベストポジションな席に座り、開花したての桜を見続ける。 秒速5センチメートルで地面へと向かうその姿は儚くて、でも目が離せなくて、ずっとずっと見ていた。 ずっとずっと、昔の思い出を一つずつ引き出しながら…。 桜の舞い散る季節 (私は)(まだ)(あなたの存在に)(気づかなかった) |