長編あなたへ | ナノ




09




「よーい、始めっ」

の合図で始まるテスト。
この後にテストはもうなくて、あーかったるいとか思いながらガリガリと解いていく。
勉強は全くと言って良いほどやっていない。
だから転校前にいた学校より酷い、いや寧ろ壊滅的だろう。
試験終わった後はどうしようかとか、暑いからアイスでも買いに行こうとかテストに関係ないことばっかり頭を張り巡らしている。

頭使った後の遊びは格別楽しいよね!

「やめっ」

後ろの人からテストが回ってきて前に渡す。
渡した途端に教室から話し声がダムのように流れてくる。
そのまま帰り支度を始め、HRなんて全く聞きもしないで学校での一日が終わる。

「終わったぁーっ!」

「あでっ」

下駄箱で伸びをすると右手が人に当たった。
ごめんなさい、と謝ろうとすると目の前には男子の中でも小さい部類に入る…

「なまえっ!何すんだ!」

「ごめんごめん、小さくて見えなかった」

「あぁ?!今密かに小さくて見えなかったって言ったな?!」

「地獄耳め」

私はこの後お詫びに焼きそばパンを奢らされました。
アイスを舐めながら横目で真弘を見るととても幸せそうに焼きそばパンを頬張ってました。
畜生、私の126円返せ!



テスト明け
(あなたを)(見ていると)(胸が高鳴る)










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