長編恋の解き方 | ナノ




23




『千鶴1人?』


先程の店では平助もいたはずだ。
何故、千鶴が1人で男たちに囲まれていたのだろう。


「いえ!平助君もいたんですけど…」

『はぐれた?』


そう聞くと、千鶴は頭を縦に揺らした。

平助に連絡しようとしたら男たちに囲まれたらしい。

平助も何やってんだ。
千鶴が平助に連絡し、迎えに来てくれるということだったので離れようとしたとき。

グイッ

腕を引っ張られた。


「なまえさんは…」

『もう私と関わるのやめな。千鶴まで変な噂たつ』

「私は気にしません!」

『千鶴が気にしなくても…周りが気にするんだよ』

「でもっ!」

「おー見つけた」

「…っ」


先程の男たちが追いついてしまった。

後ろには千鶴がいる。
そして、その後ろは行き止まりだ。

どうするか考えていると、


「千鶴ー!」


平助の声が届いた。


『平助っ!千鶴を連れて早く逃げて!』

「えぇっ?!あぁ…?」

『そこ退いてもらいます』


無理矢理退路を作り、千鶴を平助の下へ押す。


「なまえさん…っ!」

『逃げろ』

「そんなことできな『千鶴!お願いだから…』…っ…」

「千鶴…行くぞ…」


千鶴は平助に引きずられるようにその場を去る。
相手がそんなこと許すはずがないが、私が食い止めた。

2人が行ったことがわかれば、思いっきり暴れられる。

男たちは我慢の限界だったのか、一斉に飛びかかってきた。
総司との約束が頭を過ぎるが、


『もう…遅いか…』


誤解を解く方法なんて、もう知らない。

貴方が破ったと言うなら、私は約束を破ったのだろう。


『ふ…っ来いよ』

「舐めやがってぇっ!」


さよなら、全て。















「ねぇねぇ聞いた?」

「みょうじなまえがまた人殴ったんだって!」

「しかも次は半殺しだってさ」

「相手成人男性でしょ?」


次の日、みょうじなまえが喧嘩したことで話題は持ちきりになっていた。












人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -