長編恋の解き方 | ナノ




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先生に伝わっている内容はこうらしい。

主犯の女は沖田総司のファンクラブの会長様で、総司と付き合っている私に色々話しを聞きたかったんだと言う。
しかし、会長と聞いた途端に目の色を変えて殴った、と。
しかも、会長様たちは私の1つ上の3年生だと言うではないか。

むちゃくちゃすぎる。


「みょうじ…!何故手を出したっ!なんだ?!妬いたのか?!」


土方先生の声は頭を麻痺させるには十分で。
だが、そんなわけにもいかず反論する。


『私は何もやっていません…っ』

「殴られたやつがいて、お前にやられたって言ってんだ!何もやってないわけないだろっ!」

『だからそれは、』

「しかもお前、昔は名の知れた不良だったって情報が入っているんだ!」

『は…っ?!な、にそれ』


そんな、どこから。
じゃあ今まで築き上げてきた努力は無駄だったってこと?

不良が何言っても信じてくれないなら優等生になろうと、私のことを知らない学校に入って、勉強も頑張ったのに…。


「もういい。みょうじは3日間の謹慎処分とする」


全部全部無駄だったの?


「これはあくまで殴った件の処分で、お前が不良だった件は謹慎が明けてからだ」


全てがこの出来事で崩れていく。

廊下に出ると総司が待ってくれていた。


『総、司…』

「なまえ…もう人を殴らないって言ったよね?」

『え、待っ』

「もう近づかないで」


嘘、だ…。
総司だけは、


『これ、現、実…?』


総司だけは信じてくれると思っていたのに。

そんな程度だった…?
そんなに私が嫌い…?


『じゃあなんで…』


付き合ったりしたの…?

疑問と悔しさが混じり合って、涙として頬を伝う。

私は逃げるようにして学校を飛び出す。

校門をでたところで校舎を見上げれば、窓からあの女が笑っていた。
あそこは保健室だろう。


『私は…っ』


ただ、普通に暮らしたかっただけなのに。

どうして奪うの?

全ての誤解が加速していく。













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