15先生に伝わっている内容はこうらしい。 主犯の女は沖田総司のファンクラブの会長様で、総司と付き合っている私に色々話しを聞きたかったんだと言う。 しかし、会長と聞いた途端に目の色を変えて殴った、と。 しかも、会長様たちは私の1つ上の3年生だと言うではないか。 むちゃくちゃすぎる。 「みょうじ…!何故手を出したっ!なんだ?!妬いたのか?!」 土方先生の声は頭を麻痺させるには十分で。 だが、そんなわけにもいかず反論する。 『私は何もやっていません…っ』 「殴られたやつがいて、お前にやられたって言ってんだ!何もやってないわけないだろっ!」 『だからそれは、』 「しかもお前、昔は名の知れた不良だったって情報が入っているんだ!」 『は…っ?!な、にそれ』 そんな、どこから。 じゃあ今まで築き上げてきた努力は無駄だったってこと? 不良が何言っても信じてくれないなら優等生になろうと、私のことを知らない学校に入って、勉強も頑張ったのに…。 「もういい。みょうじは3日間の謹慎処分とする」 全部全部無駄だったの? 「これはあくまで殴った件の処分で、お前が不良だった件は謹慎が明けてからだ」 全てがこの出来事で崩れていく。 廊下に出ると総司が待ってくれていた。 『総、司…』 「なまえ…もう人を殴らないって言ったよね?」 『え、待っ』 「もう近づかないで」 嘘、だ…。 総司だけは、 『これ、現、実…?』 総司だけは信じてくれると思っていたのに。 そんな程度だった…? そんなに私が嫌い…? 『じゃあなんで…』 付き合ったりしたの…? 疑問と悔しさが混じり合って、涙として頬を伝う。 私は逃げるようにして学校を飛び出す。 校門をでたところで校舎を見上げれば、窓からあの女が笑っていた。 あそこは保健室だろう。 『私は…っ』 ただ、普通に暮らしたかっただけなのに。 どうして奪うの? 全ての誤解が加速していく。 → |