07「で、こんなんでよかったのか?」 夜も遅い道端で男女の姿。 先ほどみょうじなまえと会話していた男と、もう1人は、 「えぇ…」 沖田総司のファンクラブの会長。 みょうじなまえと付き合ってることを良しとしないうちの1人。 「絶対に許せないわ…っ!」 沖田総司様と付き合うなど! 私のファンクラブにも入っていない小娘が! しかもあろうことか、不良だなんて。 「下衆にも程がある!」 「まぁまぁ、俺もやっと敵討ちができるから嬉しいぜ…?」 「一刻も早く沖田様と離してちょうだい。その後は好きにしていい」 「へーへー。ったく女ってのは怖いねぇ」 2人の目に映っているのは明るい未来か。 運命の歯車とは、残酷にただひたすら回り続ける。 「おはようございます!」 千鶴の挨拶ではっとした。 私は今何を考えていたのだろうか。 「なまえさん…?どうしました?ボーっとして…」 『ううん、何でもないよ!おはよう、千鶴っ』 「なまえがボーっとしてるのはデフォでしょ」 『ちょっと総司、貴様』 「ははっそうですね!」 『え、千鶴?!』 まさかの千鶴の天然爆弾に瀕死寸前の私。 因みに平助は寝坊、薫は風紀の当番だから朝早くに学校へ。 だから、今日の登校メンバーは千鶴と総司と私なのだ。 遅刻しそうだけどね。 『あ゛!』 「どうしました?」 『古典のプリント忘れた…取りに戻るわ…』 「それは…」 「土方さんの授業でしょ。持って行かなくてもいいんじゃない?」 『んなことしたら本気で死ぬ。ってことで先に行ってて!』 「わかりました!」 この時2人っきりにさせたことを後悔するなど、後の私には知る由もなく。 『先生になんて言おう…。古典のプリント忘れて家に取りに戻ってましたって言ったら怒られるよね…土方先生に』 私は必死に遅刻の言い訳を考えていた。 → |