16小さい頃から私たちは一緒だった。 幼稚園に入る前から四人で遊んだり、笑ったり、喜んだり、色んなことを学んでいった。 幼稚園の頃のある日、平助とすごい大喧嘩をした。 小学生のとき、みんなで悪戯をして大笑いした。 中学校に入りたてのとき、千鶴をいじめていた上級生に一人で立ち向かっていった。 あの時は平助や薫、千鶴にまで怒られたっけ。 一人で抱え込むなって。 あぁ…あの時から私は何も変わってないんだな。 「…っ!!」 一人で突っ走っちゃってさ。 「なまえ…っ」 ほら、少し後ろを見ればみんながいるっていうのに。 「なまえ…っ!!しっかりしろ!!」 「平助…?」 「勝手に死ぬな…っ」 平助が私の手を掴み、私はなんとかまだ生きているようだ。 しかし、このままだと平助も一緒に落ちてしまう。 「平助!手を離して!」 「いやだ!お前はまた一人で終わらせようとして…馬鹿か!」 「馬鹿って…平助に馬鹿呼ばわりされたくないわ!」 あれ…これっていつも通りの会話…。 そうだよ、こうやっていつも小さい口喧嘩して、最後には…。 「なまえは本当に死にてぇのかよ!!」 「私は…」 最後にはね、絶対平助が、 「本当は…生きたいよ…」 「だろうと思った」 笑って許してくれるんだ。 ずるずると引き上げられた先には、黒幕名前が泣いている。 「黒幕名前…」 「なまえちゃ…ごめ、ごめんね…」 「うん…もう、いいよ」 ちゃんと千鶴にも謝ってねって言ったら、これでもかってぐらい頭を縦に振った。 きっとこれでもう大丈夫。 「なまえちゃんも無茶するよね」 「まったくだ。もっと大事になるところだったな」 「ご、ごめんなさい…」 沖田先輩や、斎藤先輩に怒られるのも、 「死のうとするとか何考えてんの」 薫の説教も、 「なまえ、これからはさ…俺らに相談してくれよな!…次はちゃんと聞くから」 「…うん!」 平助を好きなこの気持ちも、全部全部私が生きている証なんです。 今度こそ、大事なもの…守りたいもの見つけた。 |