ありったけの愛を叫ぶ
一目見た瞬間から大好きだった。
隣の席で「よろしくな!」と笑っている君が太陽のようで、一瞬の眩しさすら覚えて、
「うん、宜しく!燐」
お互いに手を握って、笑いあって・・・
周りは燐のことを、不良っぽいとか言うが、俺には関係ない。
結構すぐ照れるし、料理上手だし、純粋だし。
燐のことを知れば知るほど、これほどまでに大好きになっていく。
そんな自分に驚きつつも、嫌じゃなかった。
それどころか、燐が好きになれば好きになるほど、俺の笑顔は増えていく。
「じゃぁな!○○」
散々一緒に遊んで、燐が俺に背を向けて帰っていく。
どんどん小さくなっていく燐の方へ向かって、俺は唐突に叫んだ。
「燐!言いたいことがあるんだけどさ!」
「んー?」
俺の大きな声に反応した燐が、こっちを振り向くのが分った。
「俺、――燐のこと、愛してるぅー!!!!!!!!」
「!?!!!?!?!?」
遠くからでも分る、燐の驚いた顔。
そして、慌てふためく様子。
真っ赤になったり、あわあわと歩き回ったり・・・あぁ、可愛いくて面白い。
そして、意を決したかのように、手をメガホンのようにして、俺の方に叫ぶ。
「ぉ、俺もだぁー!!!!!!!」
言った後、カァッと真っ赤になって走り去っていく燐に、
「ハハッ・・・やべッ、可愛い・・・」
俺は顔を手で覆って、その場にしゃがみ込んだ。
ありったけの愛を叫ぶ
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