03
「親父!聞いてくれ!ティーチは危険なんだ!」
「・・・・・・」
「なぁ、頼むよ親父!ティーチを今すぐに船から降ろしてくれ!じゃないと、ヤバイんだ!なぁ、頼むよ!アイツは危険なんだ!だから――」
「・・・マルコ、リヒトを部屋に連れていけ」
「・・・よい」
「親父ぃ――!!!!!」
バタンッ
誰も信じてくれない。
そりゃそうだ。
現時点でティーチはただの家族だ。
サッチと仲が良くって、常に一歩身を引いているが話してみれば気の良いヤツで・・・
「あ・・・」
なんだ。
俺って今、突然頭が可笑しくなった可哀相な家族じゃん。
だから親父が哀れんだ顔で俺を見ていたのか。
だからマルコが「早く正気に戻れよい・・・」と言っていたのか。
嗚呼、あぁ――
「――ティーチがサッチを殺して逃げたぞぉぉおおお!!!!!!」
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