×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




35



家族には悪いけど、俺は今まで自分が間違っていたとは思っていない。



やり方は確かに可笑しかったかもしれない。

家族を悲しませ、エースを苦しませ・・・そんな方法しか、俺は思いつかなかった。


けど、エースをどうやってでも生かしたかったんだ。

俺は自分が間違っていたなんて、絶対に思わない。昔の俺も今の俺も・・・何より家族を愛していることに変わりはないからだ。


突然変な事を言って船を降りた俺を、家族はきっと怒るだろう。

あんなに懐いてくれたエースを置き去りに、あんなに信頼してくれた家族を置き去りに・・・


酷いヤツかもしれない。

馬鹿なヤツかもしれない。


けど、それでも――俺の信念は変わらないんだ。


だからね・・・







「エース、親父のところに帰ろっか」







手を差し出して笑えば、エースは泣きながら俺の名前を呼んだ。






戻る