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戦いのど真ん中。
「よぉー、皆ぁ・・・元気してるか?」
そこに男は立っていた。
周囲の海兵は何時の間にか現れたその男に唖然とする。
唖然としたのは海兵だけではない。
その場にいた海賊・・・特に白ひげのクルー達は、口をぱくぱくと動かし、そして・・・
「リヒト――ッ!?!!?!?!?!??!」
大きな声で名前を呼んで。
男、リヒトはそんな彼等にへらりとした笑みを向ける。
突然現れたリヒトに海兵たちは慌てて攻撃を仕掛けようとする。
危ない!と誰かが叫んだ。
「『タイム』!」
リヒトがそう声を大きく上げながら海軍に向けて手で制した。
するとどうだろう。
彼の周囲にいた海軍たちがその動きを止めた。
立ち止まったのではない。まるで時間が止まったように・・・
「『クイック』」
リヒトがそう呟けば、ひゅんっとリヒトの動きが早くなる。そうしてあっという間に――
「やぁ、エース。食べながら寝る癖はもう治ったか?」
「リヒト・・・?な、んで・・・」
エースの目の前で、優しい笑みを浮かべていた。→戻る