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「よぉー?ティーチぃぃいっ、なぁにやってんだぁ?」
にやにやにやにや・・・
笑いながら俺はサッチに止めを刺そうとしているティーチの前に出た。
あぁ、もう実は食ったか。
サッチは・・・あぁ、ギリギリ生きているか。
「おぅ、リヒト!!!手前、俺の船に乗らねぇか」
よくもまぁ・・・いけしゃあしゃあとそんな言葉を。
「ははははっ、残念だが、俺はそんなの興味ねぇなぁ。俺はこの船で十分だ」
「だからサッチを助けるってか?」
「サッチが死んだら、飯が食えなくなっちまうだろぉー?お前が何処へ行こうが俺はどうだって良いからさぁ・・・――とっとと消えろ、クズ野郎」
「・・・ぜっはっはっはっ!!!まさか、キチガイ野郎にそんなことを言われるとはなぁ!」
笑いながら去って行くその背中から視線を逸らし、床に蹲るサッチを見つめた。
傷が深い。けど、生きてる。
・・・まぁ、サッチを生かすのはエースを生かすことより簡単だけれども。
けれど、まぁ・・・全く・・・
「・・・だーから気を付けろって言ったんだよ、サッチ」
気絶しているサッチの乱れた髪をそっと整えてから、俺は大きく息を吸い込んだ。
「サッチが倒れてるぜぇぇぇええっ!!!!!あはははっ、誰にやられたんだぁ?早く手当てした方が良いんじゃねぇかぁ?おー、マルコマルコ、船からいなくなってるヤツがいるんじゃねぇかぁ?さっさと調べた方が良いぜぇ?まぁ、俺には関係ないけどなぁ!」
「・・・おい、誰かナースを呼んで来い!」
そんな睨まなくとも、邪魔者はさっさと退散するさ・・・マルコ。→戻る