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12



酒でも飲んで、忘れてしまおうか。


そうだ。だったら宴会出来るぐらいの酒が欲しい。

よし、買って来よう。


俺が買ってきた酒を皆に配った。

へらへら笑いながら渡せば、皆気味悪げな顔をしたが受け取った。

じゃぁじゃぁ、皆で飲んで、いろんなことを忘れよう。

皆で酒飲んで酔っ払って可笑しくなっちゃえば、今だけは忘れられるさ。



あぁ、あぁ、忘れよう、全部全部全部・・・



ん?何お前、一人だけ酔ってねぇの?

ふーん、あっそう・・・



「お前の分はねぇよ。買ってねぇし、他の奴等から勝手に貰えばどうだ?」



何とも言えない顔で俺を見てたエースに笑顔で言った。

途端に怒りで顔を赤くするエースに、再びへらり・・・




「頼むから、俺の視界から消えてくれよ」




まだあんまり酔ってなかったマルコに横っ面殴られた。

あぁ、酔いが醒めちまう。


部屋で一人で飲み直そう。その方が良い。ずっと良い。

部屋の隅で一人で膝を抱えて、それから酒を飲んで、膝に顔を押し付けて、耳を両手で塞いで、それでそれで・・・







「・・・ははっ・・・全部忘れよう」

エース、お前はまだ末っ子のチビすけなんだから、ガキはちゃんと寝なきゃ駄目だぞ。


部屋にジョッキを置いといたから、それ一杯だけ飲んで寝なさいな。









・・・お願いだから、今だけはお前のことを忘れさせてくれよ。






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