BLACK COAT02
あれから5年。
ローのおっちょこちょいのおかげで(せいで)なんだか(完璧な)医療船になったこの潜水艦。
たまたま食べた悪魔の実が『オペオペの実』だからって医療品全部揃えなくったっていいじゃないさ。
本まで揃えに揃えて…。
まったく。
形から入るってこのことなんだね。
すげェよ。ロー。尊敬する。
船員は私を含め6人に増えました。
あ、5人と1匹だったわ。
雪山で拾ったしろくまさん。
なかなか可愛い。
元奴隷のシャチ、ペンギン、バン、そしてオークションでローが助けたジャンバールことジャンビー。
自分の部屋でみんなで撮った写真を眺めていた。
そういえば次は秋島だって言ってたかな。
ベポはここに入ってからずっと裸(?)でいるもんだからなんだかちょこっとかわいそうになった。
『これ、イケるんじゃない??』
手元にあった
オレンジ色の巨大【ダイダイヒトデ】の皮。
耐久性に優れていて、染色もしやすい。
大きなものは300メートルもある。一匹いれば何人の服ができるんだろう。
どんな硬いモノでも縫ってくれるミシンでガガガガガ〜っと縫って…
『ベポベポベポベポ!!!!!』
「アイアイ!!」
『これ着てごらん?』
「おおお!これテイラーが縫ったの?!ってか、ぴったりだ!!」
鏡の前でくるりと回るベポ。その姿がまた愛しくて愛しくて…作ったかいがあったと心から思った。
ベポがそのつなぎを着て、航海会議に出た時、意外にもみんなの反応がよくて、その日のうちに同じタイプのつなぎを人数分作ることになった。
ベポは元々、肌…いや、毛が白いからダイダイヒトデの色素はそのまま残したんだけど…
人間となると…何色にしようかな。
『ん〜…あ、そうだ!!!』
いいことを考え付いた。
そうと決まればさっそく!!
大きなダイダイヒトデの皮にメス(はさみ)を入れた。
2日後人数分のつなぎを持って、ローの部屋を訪れてみた。
『じゃ〜ん。白衣ならぬ白つなぎ!!これであなたも医者に近づけ…ぐはっつ!!』
「そんなん着なくても、おれは医者だ。」
私の顔をパーで押さえて潰そうとする、ロー…鬼畜は相変わらずですな。
『いいじゃないの。みんなお揃いで!!』
「…。血がついたらどうする。」
『…洗剤アタックで落とす。』
「なかなかのデザインだ。しいて言えばもう一つ。旗のマークを胸につけろ。心臓の真上にな。」
私のアタックはみごとにかわされた。
『じゃあ、これでいい!?』
手元にあった海賊旗(小)を胸に中てつけてみた。
「あァ。文句はない。」
『オッケ。じゃ、今から刺繍してくるね。」
「##NAME98##…」
私の名前を呼ぶ小さな声に振り向くと「ありがとう」そう小さく聞こえた。
『あァ?蚊が鳴いたの?』
思わず近寄ってローの顔を覗き込んだ。
でも、いつになく真剣で…それでいて少しにこやかに笑うローの顔を見ていたら無性にうれしくなって…。
『…どういたしまして。』
ちょっとだけ赤くなってそう返した。
→
[*prev] [next#]
←←←AHP top
[ 2/7 ]