02
グチャグチャと不規則な湿った音・・・
ハァ・・・ハァと、激しく吐かれるマルコの吐息、その音・・・
セイレーン・・・セイレーン・・・
アイシテるよい・・・と繰り返すマルコの声・・・
その音の奥にはセイレーンがいるはずなのに、彼女の声は聞こえなかった
(アぁ・・・マルコはこの声を聞いてたのか・・・。)
セイレーンの声を聞いて初めて、心が引き裂かれるような情景がより鮮明になった。
魔力をおぞましいほどに
放つその美しい裸体に、
おれはひたすらに貪りつき
何度も何度も押し当てて
言われた通り、飲み干すように
マルコが感じたように
マルコがそうしたように
「セイレーン・・・あっ、アイシテる・・・。」
繰り返した、マルコがそうしたように
、彼女を抱いた。
マルコは知らない
マルコは一生知ることは無い
壁一枚を隔てたそこに
裏切り者たちがいたことを。
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