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裏切りの果てに燃え上がる

愛の形はどんなんだろう

教えてくれ


おれは家族を裏切ってしまった
この世で一番大事まモンなのに
理性を保てなかった

マルコ・・・

許しちゃくれねえよな

親父・・・

もう息子とは呼んでくれねえよな


「グララララ、あの女を持ち込んだのはマルコだァ・・・責任はマルコに取らせる。」
「・・・親父、おれ・・・。」
「おめえも、この船を沈める気か・・・若けェってのはいいなあ。
そんなちっぽけなコトで、悩めてよォ。」


罪悪感で居たたまれなかったおれは、
全てを親父に話した。

マルコの女を抱いた
セイレーンを・・・

どういう結果になるかも考えず
おれは、家族を裏切った・・・。


「伝説は本当だ・・・もし、あの女が歌い出したら、いくらおれでも息子たちを守れねえ。
今日カリブのあの島に着いたら・・・マルコに始末をつけさせる。」


海の伝説、おれはそんなもの信じてなかった。

セイレーンを見た瞬間の、親父の顔をみるまでは

セイレーン・・・船乗りたちを、その歌声で海に引きずり込む魔女。

その歌声を聞いた船乗りたちは狂乱し、船は沈められるという。


マルコはセイレーンに完全に堕ちている

親父にその話をされたときは、誰も
見たことが無いくらいに取り乱してた。

無理もねえ

魔女だ

そして美しく色艶かしい

そして囁かれる小さな声は

おれの理性もガタガタに破壊した


「エース・・・。」
「セイレーン・・・。」
「わたしは血の泉・・・わたしを
飲み干して・・・。」

声が聞こえないように閉ざされた
見えない唇の奥から

そうささやかれたとき、おれの頭は
からっぽになり、ひたすら身体だけが
動いた。

いや、頭には一つの情景が浮かんだ

セイレーンがこの船に乗ってから
毎晩、マルコの船室から聞こえてくる音・・・




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