スイートルーム

やっと開け放たれた部屋のドア

わたしは思わず「うおっ」と声を上げた
ような気がする。

「うおっ、おねーさんグラスも持ってきてくれたー気が利くー!」

そりゃもう下着姿のボインが私をお出迎え
そしてやっぱり私の「うぉ」は確実に
発せられてたようだ。

ほっとした
違う
またやっちまった。

部屋の中まで台車を押し進めると
ソファに鎮座した王下七武海は優雅に
葉巻をくわえ、両脇に溢れんばかりの
女を抱えていた。

顔こそ向けられなかったが
もういっそ脱いだ方がよろしいのでは
という、はだけた美女ばかり。

わたしはそそくさとテーブルにドンペリ並べ、グラスを並べ、ぺこりと礼を
してスイートルーム脱出を計った。

「つまみも持ってこないようじゃ、
気が利くとは言えねえなぁ。」

ドスの効いた声が心臓を貫いた。

ふ・・・振り返るな私・・・きき・・・聞こえなかった振りだ!

「すす・・・すぐにお持ちします!」

男に背を向けたまま、私は右手右足を前に出しドアへと向かった。

脱出だ、ダイハードばりの脱出だ!
だが、職業病か・・・扉の前で一礼
するのに振り返ってしまった。

美女のハミ乳の向こう側に光る
するどい視線に私は戦慄した。


こ・・・こえええええええええ!

「まあいいじゃねえか、ちょっと遊んでけよ、ねえちゃん。」

あそ!あそ!遊ぶ!?

むりむりむりむりと手を振り、私はそそくさと部屋を脱出した。

ブルースほどかっこ良くなかったけど・・・脱出には成功した。
怖かった・・・いやまて、私・・・

つまみ持ってこなきゃいけないのか

シット!

わたしは付けていたカシューシャを
思わず床に叩き付けた。


色気も華もない私が惨めさを感じる瞬間。

カシューシャが跳ね返って、私の顔をめがけて飛んできた時



[*prev] [next#]



←←←Dreams top




[ 3/9 ]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -