エレベーター前
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深夜だと言うのに
私はバタバタと駆け回っていた
週末ということもあり
客室からの内線は一晩中鳴り続ける
4年働いても、未だに最年少の私は
動き回るような仕事ばかり押し付けられて
毎日ほんと・・・しんどい
私だって、ここの客みたいに
まったりゆったり休みたい!
エレベーターの中で拳を振り上げた私は、ドアが開くのにも気づかずにきっと
すごい顔してたと思う。
最上階に着いたエレベーターの扉の向こうには
それはもう作り物のような美女数人と
顔に大きな傷のあるヤクザ風の男がいた
しまった!見られた!
わたしはとっさに手を前に組み、エレベーターを降りてドアを押さえ頭を深く下げた。
気のせいであってほしいが
その男の人はクククっと笑った気がした。
ああ、笑われてる・・・私。
色気も華もない私が惨めさを感じる瞬間。
金持ちの客とすれ違う時
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