あいすみるくを一杯。


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06.唇が、重なる

"すきだよ"

そっと呟いたその言葉は、予想以上の破壊力だった。
言った本人も、改めて口に出したことで、すっかり力が抜けて、恥ずかしさからか随分熱っぽい。
俺も力が抜け、へにょりと椅子に座りこんだ。
「ここまで、長かったなぁ…」
顔を見せずに消え入りそうな声で話しかける。
「…ねぇ、せんせ。もう一回キスしてい?」
「えぇ、んー。どうしよ」
悪戯に笑いながら、優しく言う蒼は、とても愛らしかった。
「やっぱり、先生からしてほしいなぁ」
「はぁ?」と少し驚いて、でも慎重に、柔らかに唇を重ねた。
蒼は小さくリップ音を立て、唇を離すと、首に力無くかけていた腕をゆっくり下ろし、俺の顔を撫で、もう一度キスをした。
息が止まるような、そんなキスだった。
口に隙間がないように唇を合わせ、執拗に舌を絡ませて吸いあう。
ファーストキスでは無かったが、今までに無いような昂ぶりを覚えた。
「んっ、ふぅ、ん」
顔を交差させ、これでもかと言うくらいに口の中を貪った。
「っはぁ…、興奮しすぎ」
どのくらいの時間していたのかわからない程、夢中で絡ませていたようだ。
ねっとりと絡んでいた唾液が、蒼の口から零れる。
手で払おうとしたので、思わず待って、と言い、舌先でベロリと舐めた。
「全然とれてねぇし」
お構いなしに首筋を舐め、痛がる蒼を余所に、強く吸い上げ、所有物である印を付けた。
「独占欲強いのな」
「自分でも、こんなに独占欲ある人間だと思ってなかったっす」
「…嫌いじゃない」
その一言に俺は再び興奮させられた。
しかし、ここは学校の教室である。
万が一見られた場合、言い逃れは出来ない。
必死に堪えて、余裕があるよう振る舞うことに努めた。
「明日、見られちゃうね」
「可愛い可愛い彼女に付けられたって言えば?」
いつものように拒否されるかと思ったが。
「いいかもな」
微笑む蒼を見て、俺も幸せになった。

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