校門前で了平が何か叫んでる気がしたが真っ直ぐにディーノさんの元へ駆けつけた。少し立ち止まって部下の人と話していたようで、なんとか追いつく。


『ディーノさん!何かあったんですか?』

「葵か!?……お前に嘘はつけねーな。よし、一緒に来い!」


どうやらツナに関係のある騒動が街のど真ん中で起こっているらしいが、詳しく話を聞いている時間はないようだ。キャバッローネの人達の大半は別の場所へと向かい、私はディーノさん達と土煙の上がっている所へ急いだ。





アミューズメント施設へ辿り着くと、そこは瓦礫にまにれ、緊迫した空気が漂っていた。視界が開けてくると地面に倒れている武くんに獄寺くん、そして見知らぬ二人のそばにツナが何かを抱えて座り込んでいた。


「う゛ぉぉい、ソレを渡す前に何枚におろして欲しい?」

「渡してはいけません沢田殿」


私が一歩前に出るとディーノさんは静かにそれを制し、代わりに不穏な空気へ割り込んでいった。


「相変わらずだな S・スクアーロ。子供相手にムキになって恥ずかしくねーのか?」

「ディ……ディーノさん!葵!」

「跳ね馬だと!?」

「その趣味の悪い遊びをやめねーって言うならオレが相手になるぜ」


様子を伺いながら私は倒れている二人の元へ駆け寄ると、どちらも悔しさを滲ませた渋い表情で上半身を起こした。


『二人共、大丈夫!?』

「あ、あぁ……」

『一体何がどうなって……ってあなたたちも状況が飲み込めてないようだね。ほら、肩貸してあげる。立ち上がれそう?』

「サンキュっす……」






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