日曜日。本来ならば家の掃除やお墓参りにでも行ってツナの家に足を運ぶのが習慣だが、今日は並中で補習授業が行われている。特に勉強が遅れているわけではないけれど、より理解を深めるためにと思い私は学校に来ていた。
職員室に向かうため階段を上っていると、偶然草壁くんと鉢合わせたので話しかける。もうだいぶ打ち解けたものだ。
「神谷か。」
『草壁くん、休日まで委員会の仕事お疲れ様。』
「あぁ。ところでちょっと聞きたい事があるんだがいいか?」
もちろん了承すると、ハンバーグの合い挽き肉について意見を聞かれたり、夏用にと雑に切断された学ランについて相談された。
草壁くんが語るハンバーグへのこだわりは凄くて、この感じは100%恭弥絡みだな……と察する。好きなのかな、ハンバーグ。
「で、これが考案した夏用の学ランなんだが。」
『えーっと……素直に言わせてもらうと、草壁くんって時々おバカさんになるよね。』
「ド直球すぎねぇか?まぁ委員長にも即却下されたからな……」
『あぁ、もう恭弥に見せた後なんだ。』
クスクス笑っていると、カバンの中で聞き慣れたメロディーが流れ始める。それに気付くと草壁くんは顎でカバンを指した。
「おい、携帯鳴ってるぞ。出てやれ」
『獄寺くんからだ。』
「それじゃあオレはもう行く。じゃあな」
『はーい、またね』
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