「君が神谷葵かい?僕を利用するなんていい度胸だね。」

屋上で本を読んでいたら目の前に現れた雲雀くん。声を掛けられたと思いきや武器を取り出す動作が見えたので、いきなり殴りかかられるも寸前のところでそれを避けられた。
一瞬驚いた表情をしてワオ、と漏らすと、まるで楽しむかのように再び襲いかかってきた。あらゆる方向から振りかざされる攻撃を必死に避けながらどうしようどうしようと焦っていると、トンファーが左脇腹にヒット。
そのまま吹っ飛ばされるのは癪だったので、体を捻ってうまく踏ん張り、彼の左頬に思いきり裏拳をいれた。

が、結局そのままもう一発もらい吹っ飛ばされる。彼は切った口の端から流れる自分の血を確認し、妖しく笑った。


「いいね、キミ。」


こちらを鋭く一瞥して、「咬み殺す」と漏らすも予鈴が校内に鳴り響いた。


『あの……授業始まる。』

「そんなの関係ないよ」

『次の時間テストだし。まさか風紀委員長が授業の邪魔しないよね?』

「……。」


左脇の痛みに耐えながら訴えると、彼は口元の血を見て駆け寄る風紀委員を一蹴しながらつまらなそうに屋上をあとにした。








『というわけで、一回だけ殴り飛ばされたんだ。』

「ダメツナと違って動体視力や反応も悪くねーな。その後は何もなかったのか?」

『うん。あれから何度も屋上で顔を合わせるけど特に何もないの。』

「俺だったら屋上から逃げ出すよ!やっぱりヒバリさんは危険だ……!」


リボーンの思惑とは裏腹に、なるべくヒバリに近寄らないよう決意するツナだった。






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